米国の脱炭素スタートアップ企業がいま「米軍」に売り込みをかけている その切実な理由とは?
「地球を守ろう」から「国家を守ろう」へ 米国の脱炭素スタートアップはベンチャー・キャピタルからの投資が停滞するなかで、米軍の資金提供を受けるようになっている。米メディア「アクシオス」が報じている。 【画像】米国の脱炭素スタートアップ企業がいま「米軍」に売り込みをかけている その切実な理由とは? 背景にあるのは、ロシアのウクライナ侵攻によって浮き彫りとなったエネルギー問題のリスクだ。米軍のあいだでも、大手エネルギー企業だけではなくスタートアップの力が必要だという認識が広まっているようだ。 米軍との契約を勝ち取ったのは、寒さや暑さに強いバッテリーを開発するサウス8テクノロジー社、CO2を捕捉してそれをジェット燃料に変えるエア・カンパニー社、水素燃料を開発するヴァーン社、地熱発電のセイジ・ジオシステムズ社などだ。 このような時勢の変化をうけ、これまでベンチャー・キャピタルに「地球を救いましょう」とピッチしてきた脱炭素スタートアップは、米国防総省に「国を守りましょう」というメッセージを発するようになっている。 では、米国のベンチャー・キャピタルの資金はどこに流れているのか。英紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、彼らは欧州の防衛技術スタートアップに対する出資を強化しているという。 米国は今年、欧州におけるベンチャー・キャピタルによる防衛技術投資の65%以上を占め、2023年の18%から大きく増加した。 欧州の防衛技術企業への資金提供は半数以上が国内投資家からのものだった前年度と比べると、急激な転換が起きている。
COURRiER Japon