JAL、24年3月期最終益100億円上振れで増配に 25年3月期は1000億円予想
日本航空(JAL/JL、9201)は、2024年3月期通期連結決算(IFRS)の業績予想と配当予想の修正を3月21日に発表した。売上高にあたる「売上収益」は310億円の下振れとなるものの、本業のもうけを示す「EBIT(財務・法人所得税前利益)」と純利益は100億円ずつ上振れる見通しで、年間配当は10円引き上げて1株70円とした。2025年3月期通期の業績予想と配当予想も同日発表し、純利益は1000億円、年間配当は1株80円を見込む。 ◆24年3月期予想 修正後の2024年3月期通期予想は、売上収益が前回2023年10月31日発表から310億円下方修正となる1兆6530億円(23年3月期比20.2%増)、EBITは100億円上方修正し1400億円(同2.2倍)、純利益も100億円上方修正し900億円(同2.6倍)を見込む。配当は期末を10円引き上げて1株40円としたことで、年間配当は同70円となる。2023年3月期の年間配当は同25円だった。 売上収益は、国内旅客収入が単価の上振れで前回予想を上回って推移しているものの、国際旅客収入は主に日本発需要の落ち込みで前回予想を下回っているため、前回予想から下方修正となった。一方、営業費用は、燃油価格の下落による燃油費の減少や燃油費以外の費用削減努力により、前回予想を220億円下回る見込みであることが、利益の押し上げにつながる。 ◆A350保険金は199億円 また、今年1月2日に発生した羽田衝突時で全損となったエアバスA350-900型機の13号機(登録記号JA13XJ)については、機体保険金を受領し、「その他の収入」として199億円の計上を見込んでいる。 JALは機体の損害額としては約150億円を見込んでおり、代替機材は2025年度下期に同型機を1機受領する。 ◆25年3月期予想 2025年3月期通期の業績予想は、売上収益が1兆9300億円(24年3月期予想比16.8%増)、EBITが1700億円(同21.4%増)、純利益は1000億円(同11.1%増)を見込む。配当は中間と期末が1株40円ずつ、年間で同80円となる見通し。
Tadayuki YOSHIKAWA