「あのタイトルを取って人生が変わった」 盗塁王2度の西武・金子侑司が引退会見 15日の引退試合はロッテ佐々木朗希から「1本打ちたい」
今季限りで現役を引退する西武の金子侑司外野手(34)が15日、埼玉県所沢市の球団施設で引退会見を行った。 ■「おかまさーーん」前代未聞の引退声出し、岡田雅利が最後に絶叫した言葉も前代未聞【動画】 背番号7のホーム用ユニホーム姿で現れた金子は「来年のライオンズの戦いに自分が加わっているというイメージが持てなくなった。そう思ったときに引退しようと決意した。もう一度、1軍に上がってプレーしているところをファンに見てもらおうとファームで若手たちと一生懸命やってきたが、それがかなわなかったのは悔しかったし、残念だった」と引退を決めた経緯を説明した。 12年目の今季は「1番中堅」でスタメン出場した開幕戦から3試合連続安打を放ったが、その後は成績が低迷して出場機会が減少。6月1日の巨人戦で3打数無安打に終わった後、同3日に出場選手登録を外れて以降は1軍出場がなかった。 14日現在の成績は36試合に出場して打率2割2分、2本塁打、8打点、3盗塁。「1軍にいようが、2軍にいようがやるべきことをやらないといけないと思っていた。(ファンから)『まだやれる』『やめないで』と言われて胸が熱くなり、正直、まだやれるという気持ちはあるが、惜しまれてやめるのが僕らしい」とさばさばした表情で話した。 現役時代の一番の思い出には、2013年3月29日の日本ハムとの開幕戦(当時西武ドーム)でのプロ初打席を挙げた。「生きてきてこれだけ足が震えたことはなかった」。新人ながら「7番右翼」でスタメン出場し、2回に武田勝からプロ初安打を放って非凡さをアピールした。 4年目の16年には53盗塁を記録して、初の盗塁王のタイトルを獲得。「あのタイトルを取って一番人生が変わった」。19年にも41盗塁で2度目のタイトルに輝いた「スピードスター」は、チームをけん引する選手に成長した。 15日のロッテ戦(ベルーナドーム)は引退試合として実施。相手先発は佐々木朗希で「『勘弁してくれよ』という気持ちですが、最後に日本一と言われる投手と対戦できる。持ってるなと思う。打席で『速い』と思わず言ってしまいそうだが、何とか1本打ちたい」と意気込んだ。試合後の引退セレモニーでライオンズファンに別れを告げ、グラウンドを一周する。 京都府出身の金子は立命館宇治高、立命館大を経て、13年にドラフト3位で西武に入団。14日現在の通算成績は1019試合に出場して打率2割4分2厘、21本塁打、223打点。225盗塁。
西日本新聞社