ドリス・ヴァン・ノッテンが退任 6月の2025年春夏メンズを最後に
ドリスは多くのベルギー人デザイナー同様、プレ・コレクションや広告、セレブリティの着せ込み、ハンドバッグビジネスの拡大などを避け、一般的にブランド発展のために用いれらる道筋の多くに抵抗してきた。そんな彼の生み出すコレクションには服をこよなく愛する姿勢が感じられ、それが服好きの共感を呼んでいる。14年にパリ装飾美術館で開催した大規模展覧会「ドリス・ヴァン・ノッテンインスピレーションズ(Dries Van Noten Inspirations)」では、コレクションの着想源やそこから生まれた服を並べ、クリエイションの過程を惜しげもなく披露。その翌年には、アントワープのモード博物館(MoMu)でも開催されたが、ドリスの頭の中を覗き込むよう展示は大きな話題を集めた。またショー演出へのこだわりも強く、設立初期から演出家のエティエンヌ・ルッソ(Etienne Russo)と共に、数々の記憶に残るショーを作り上げてきた。17年3月には通算100回目のショーを開催。同年、その回顧録となる2冊の本「ドリス ヴァン ノッテン 1-100(Dries Van Noten 1-100)」が発行されたほか、ドキュメンタリー映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」も公開された。