ドリス・ヴァン・ノッテンが退任 6月の2025年春夏メンズを最後に
プーチのマーク・プーチ(Marc Puig)会長兼最高経営責任者は、「ドリスが38年のキャリアに区切りをつけ、第一線を退く決断をしたことに敬意を表したい。プーチは、彼のレガシーを未来へとつなげる。まずはドリスと我々にとって、刺激的な新章をスタートしたい」としている。
ドリスは、1958年ベルギー・アントワープ生まれ。テーラー家系の3世代目として生まれた彼は、若い頃からファッションに触れて育ち、18歳からアントワープ王立芸術アカデミー(Royal Academy of Fine Arts Antwerp)でファッションデザインを学んだ。卒業後、フリーランスとして活動した後、86年に自身の名を冠したブランドを設立し、アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)やウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)、マリナ・イー(Marina Yee)らと共に「アントワープの6人(The Antwerp Six)」としてロンドンでコレクションを発表。89年にはアントワープに旗艦店を開いた。91年からパリ・メンズ・ファッション・ウイークでメンズを発表。93年からはパリ・ウィメンズ・ファッション・ウィークにも参加し、シーズンごとにメンズ・ウィメンズそれぞれのショーを開催。2007年にパリのセーヌ川沿いに旗艦店を構え、09年には東京にも旗艦店をオープンした。18年にメゾンの株式の過半数をプーチに売却し、21年12月には「バレンシアガ」や「メゾン マルジェラ」「ジル サンダー」で要職を務めたアクセル・ケラー(Axel Keller)CEOが就任。22年には、フレグランスやリップスティックから成るビューティラインをローンチした。現在は米ロサンゼルス、中国では上海、深圳など複数都市にもショップを構え、23年7月にはセーヌ川沿いにあるウィメンズとメンズの旗艦店の間にビューティとアクセサリーに特化した新店を開いた。