<削がれるドローン攻撃の効果>ウクライナが長距離ミサイルを強く求める背景
2024年8月22日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、イザベル・コールズ記者による解説記事を掲載し、ウクライナはロシア領内へのドローン攻撃を強化しているが、ロシアによる滑空爆弾の脅威は深刻であるとして、改めて米国による長距離ミサイルの使用許可の必要性を示唆している。 8月22日早朝、ウクライナはロシアの空軍基地をドローンで攻撃した。ウクライナによると、今回の攻撃はロシアの空軍力を弱めるため、燃料と滑空爆弾を保管する倉庫を狙ったものだ。最近ロシアは、軍用機から無数の滑空爆弾をウクライナ領内に投下している。 ウクライナは国産の長距離ミサイルをほとんど持っておらず、他方で米国その他西側諸国から供与された長距離ミサイルをロシア国内で使用することは禁じられているため、ロシア領内深奥への攻撃は国産のドローンに頼っている。ここ数週間、ウクライナはドローン攻撃でロシアの防空施設、燃料・弾薬庫、航空機を攻撃してきたが、同時に米国に対し、米国提供の長距離ミサイルATACMSをロシア国内で使用することを許可するよう求めている。 ウクライナはドローン攻撃を強化している。南部ロストフ地域の戦略石油貯蔵施設は最近、ドローン攻撃の標的となって数日間燃え続けた。先週、ウクライナは、ヴォロネジ、クルスク、サヴァスレイカ、ボリソグレブスクで、戦争開始以来最大のドローン攻撃をロシア軍飛行場に対して行ったと述べた。 また、8月初めには、ウクライナのドローンによるリペツク飛行場への攻撃で、誘導爆弾の備蓄が破壊されている。ウクライナはロシアの奥地にある空軍基地を標的にすることで、ロシアの防空システムを最前線から遠ざけさせることができる。最前線近くのロシアのアセットはウクライナの攻撃に対して一層脆弱になるだろう。 ドローン攻撃は、ロシアが戦闘機や攻撃機の一部をウクライナからはるか離れた基地に移動させるきっかけにもなるかもしれない。