大分194キロ暴走、地検も弁護側も控訴 遺族「適切な量刑判断を」
大分市で2021年、時速194キロで車を運転して衝突死亡事故を起こしたとして、当時19歳だった男性被告(23)に自動車運転処罰法違反(危険運転致死)で懲役8年(求刑・懲役12年)を言い渡した大分地裁の裁判員裁判判決(11月28日)について、大分地検は12日、福岡高裁に控訴した。大分地裁によると、被告の弁護側も12日控訴した。この日が控訴期限だった。 【一覧表】危険運転巡る弁護側と検察側の主張 公判では危険運転の成否が争われた。検察側は①「制御困難な高速度」で車を運転し、右折車に②「妨害目的で接近(妨害運転)」して衝突したと主張。判決は①の点で危険運転の成立を認め、②は「積極的に妨害しようとした意図は認められない」として退けた。 大分地検の小山陽一郎次席検事は12日の記者会見で、②を認めなかった「法令解釈の誤り」と、懲役8年の「量刑不当」などが控訴の理由と説明した。弁護側は取材に応じていない。 遺族側は4日、量刑は不当などとして控訴を求める意見書を大分地検に提出していた。死亡した小柳憲さん(当時50歳)の姉、長(おさ)文恵さん(59)は地検の控訴を受け、「高裁が高速度による進行制御困難との判断を維持した上で、妨害目的も認め、適切な量刑判断がなされることを強く願っています」とのコメントを出した。 判決によると、被告は21年2月9日午後11時ごろ、大分市の県道交差点で、法定速度(時速60キロ)の3倍超の時速194キロで直進。右折してきた小柳さん運転の車と衝突し、小柳さんを死亡させた。【神山恵】