10万円の「お泊まりコース」を頼む高齢男性が本当に求めているもの
その人が、遊び慣れているかどうかは、予約時のやりとりでわかると七瀬さんは言う。まず、風俗を利用する以前にハードルがあるのだ。それはラブホテルに1人で入れない問題だ。ラブホテルが繁華街にあるということがわかっていても、どこのホテルに入ればいいのかわからない、入ったことがないからシステムがわからないといった具合なのである。 「お客様は真面目で、これまで奥様一筋だったというタイプが多いですね。もう奥様とは性生活がない、だけどしてみたいということで罪悪感を抱きながらやってくるんです。 でも、一度来ると楽しいから、もう一度……と思い、通うようになっていきます。奥様が亡くなられて長い方などもいらっしゃいます。地域の関わりや習い事などでコミュニティをすぐにつくれる女性と違い、仕事から引退した男性は孤独になりがちです。 特に、配偶者を亡くしたり、離婚をしたりした独り暮らしの男性は、会話やコミュニケーションに飢えている人が多いと感じます。1日誰とも喋ってない、たまに喋ると声がかれるという話もキャストを通して聞きます。そのため、お客様と過ごしている時には、会話を大切にするキャストが多いですね」(七瀬さん)
● 目が覚めたらすぐ隣に 女性がいることがうれしい 利用頻度は、多い人は2週間に1回という人もいるが、1カ月に1回というパターンが目立つという。やはりというべきか、年金の出るタイミングに合わせて、予約の電話が多く鳴ると七瀬さんは続ける。 「お客様は皆さん60歳以上の方ばかり。だから、初回のお客様は、『ちゃんと無事に予約日に来られるかな?具合が悪くなったりしないかな?待ち合わせは大丈夫かな』と心配になりますね。携帯電話を持っていない人もいるし、持っていてもスマホを使いこなせない人も多いので……」(同) ほとんどのお客が選ぶのがデリヘルコースの90分、または120分。初めての時は勝手がわからないため、最も短い60分を選ぶ。しかし、実際に利用してみると、あっという間に時間が過ぎてしまい、会話も充分に楽しめなかったという残念さがあるようで、お店や女の子を気に入ると、2回目の予約を入れる際には、90分か120分と長めのコースを指定するのだという。