京都新聞

　滋賀県長浜市で昨年7月、学童保育のプール活動中に市立小1年の男児=当時（6）=が溺れて死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた学童保育所元園長の被告（50）の初公判が20日、大津地裁（西脇真由子裁判官）であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。 　起訴状によると、昨年7月26日午後1時ごろ、同市野瀬町の屋外プールで、児童が遊泳する際、あらかじめ児童の身長や遊泳能力を把握せず、溺れないよう常に監視するなどの注意義務を怠り、同市の男児を溺死させた、としている。 　検察側は冒頭陳述で、「どの児童がどこから入水したか把握していなかった」と指摘。児童46人に対して引率者は被告を含め4人で、十分な監視ができる状態ではなかったにもかかわらず、被告は児童の入水直後に管理棟で精算業務を行うなど監視を怠り、男児が溺れていることに気付かなかったと主張した。 　検察側によると、プールは深い部分（水深110～130センチ）と浅い部分（同60センチ）が一体となった構造で、溺れていたのは深い部分だったという。男児については「遊泳能力に乏しく、入浴中も顔に水がかかるのを嫌がっていた」と説明した。 　男児の父親が「大好きなプールを終えて帰ることを楽しみにしていた。怒り、憤りしかなく、悲しみが消えることはない。絶対に許すことはできない」と話した供述調書も読み上げた。