明日2度目の先発!大谷翔平の疑念ボールはなぜメジャーで通用したのか?
低めのスプリット2球(ターコイズブルー)と真ん中に近い4シーム(レッド)の2球で見てみる。その奥に見えるパープルの点々はコミットポイントと定義され、打者が最終的に、例えば、ボールだと判断してスイングを止められる最後の地点だが、その4球はそこまでほぼ同じ軌道である。 ということは、4シームだと思って振りにいって、落ちたと気付いたときにはもう、バットが回っているということになる。 それを反対側ーーつまり、大谷の側から見たのが、上の図2だ。
少し見にくいかもしれないが、相手打者の左膝付近に4つのボールが固まっている。これがこの後、徐々に枝分かれする。 4シームとスプリットの軌道がもう少し異なるなら、打者も予測しやすいが、ここまで酷似していると、打者には区別がつかないのではないか。 実は、前出のバウアーがこんなことを言っていた。 「大谷の軌道がメジャー平均だとしたら、それはやはり危険だ。打者は一番目が慣れているからね。変えられるに越したことはないが、ただ、同じような軌道で投げられる別の球種があるなら、心配することはない。相乗効果さえもたらしてくれるだろう」 大谷にとってはそれがスプリット。この2つの球種を常に同じような軌道で投げられるなら、相手にとっては厄介極まりない。 となるとあとは、その再現性。それこそが、大谷の拠り所となる。 ただ1点、気になるところがあるので、それは明日8日(日本時間9日)の2回目の先発(対アスレチックス)が終わった後で検証してみたい。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)