[MOM4801]青森山田GK松田駿(2年)_「3年生に最高のプレゼントがいくように」。責任を理解し、戦う2年生守護神がPK戦でビッグセーブ
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [7.30 総体3回戦 青森山田高 0-0(PK5-4)矢板中央高 JヴィレッジP2] 【動画】広瀬すずさんが日本代表ユニ姿で見事なヘディング「可愛すぎる」「さすがの動き」 70分間着用していたフェイスガードを外して臨んだPK戦。「全体的にボールも見えるし、相手も見えるしっていうので取ってやりました」という青森山田高GK松田駿(2年=前橋FC出身)が、ヒーローになった。 4人目を終えて先攻の矢板中央高(栃木)、後攻の青森山田ともに全員が成功。GKにとっても重圧のかかる状況が続いたが、2年生守護神は「4本決められても1本止めればみんなが決めてくれるんで、チームは勝てるっていう風には思ってたんで、何としても1本止めてやろうっていう気持ちでやりました」と冷静に、1本を止めることだけに集中していた。 迎えた5人目、松田はゴールの中で左膝をつき、キッカーの足や角度などを観察。そして、駆け引きする動きから右への跳躍で完璧に弾き出した。古川大海GKコーチからの「本当に自分を信じて、やってきたことをやるだけ」という言葉やチームメートへの思いを込めてビッグセーブ。直後に味方のMF大沢悠真(3年)が決めると、松田は歓喜の中心になった。 「(試合に出れない)3年生が悔しい思いをしてる分、自分が責任もってやらないといけないし、ここにいないメンバー、キーパー、3年生たちを差し置いて自分が出てるんで、やっぱりチームを勝たせないといけないっていう責任、これはほんとに大きいものですけど、自分がそういう責任から逃げ出したりしたら本当にチームは勝てないと思うんで、その責任を自分が1番理解して、3年生に最高のプレゼントがいくように頑張っています」 青森山田は昨年度の選手権で2度のPK戦を経験したが、いずれもGK鈴木将永(現東海大)が活躍。正木昌宣監督から「(PK戦では)ベンチから見ていても入れられる気がしない」と絶対の信頼を受けていた先輩の姿を松田は目に焼き付けてきた。 「近くでPK練習とかを見てて、迫力だったりで1対1止めることがほんとに多いキーパーだったんで、習得して自分で活かせるようにできればいいなと思っていました」。受け継がれたPK戦や1対1の強さを発揮。この日は、抜け出してきた相手FWのシュートを冷静にストップするなど、無失点にも貢献した。 正木監督は「今日はキーパーの松田を一瞬だけでも褒めたいな思います」と微笑。もうひとりの登録GK磯村颯(3年)への厚い信頼も口にした一方、「今は彼(松田)の持ってるそのパワーを信じて使っています」と語った。 兄の影響でサッカーを始め、「ポジション違うんですけど、得られるものっていうのは全然ある」と現在も相談するなど力に。チームメートやスタッフ、家族に支えられながら奮闘する2年生が今夏、まだまだ青森山田を勝たせる。