丸山隆平が衝撃を受けた、東京事変の楽曲─ベーシスト談義を亀田誠治と繰り広げる
ボーカリストとして大きく成長した楽曲を紹介
2曲目は、2021年のアルバム『8BEAT』に収録された丸山のソロ曲『ヒカリ』をセレクト。 亀田:こちらの楽曲は丸山さんの人生にどんな影響を与えたのでしょうか? 丸山:僕のボーカル生涯ですね。グループで歌っていると歌割があるから“歌い継ぐ”作業になるじゃないですか。ほかのメンバーがこう歌ったら次はこういう風に歌う、という作業です。自分本来の歌い方というよりは、楽曲という箱のなかでメンバー同士がバトンリレーをする形なんですよね。なので、自分の声だけで1曲を彩るってことが、28年間のアイドル生活のなかで少なかったわけです。 亀田:なるほど。 丸山:このアルバムが制作される前ぐらいからボイストレーニングに通うようになったんですね。声帯の使い方だったり専門的なことを勉強してから、挑戦したことがないもので自分の声を発掘しようと、ボイスコーチの先生と決めたんです。 亀田:へええ! 丸山:で、かねてから仲良くさせていただいている吉田一郎さんいう、元ZAZEN BOYSのベーシストと(楽曲を制作した)。 亀田:来たよ、またベース仲間(笑)! 何この丸山流ベースサークルは! 丸山:妙なご縁なんですよね(笑)。僕はもともと吉田一郎さんのことは存じ上げなかったんですけど、ベースの日の「The Bass Day」(ベーシストたちによる音楽イベント)で実物を拝んだんですよ(笑)。彼は「吉田一郎不可触世界」名義で2つアルバムを出されているじゃないですか。そこから彼の世界にどっぷりハマってしまったんですよね。彼のトラックの抜き差しが心地いいですし、歌詞もすごく美しくって、それで楽曲提供をお願いしたんです。 ボイスコーチの指導を受けながら、自分なりの歌い方を模索した丸山は、2年もの期間『ヒカリ』の歌唱と向き合い続けたという。 亀田:2年間この曲に向き合っていたの!? すごいね。 丸山:ボイストレーニングに行くまでの自分は、この曲を歌えません。歌い方を研究して、長い期間ボーカリストとして向き合った初めて楽曲です。 亀田:楽曲を聴いてすごくいいなって思ったのは、丸山さんの普段話している声と近いんですよね。丸山さんに話しかけられているような、距離感の近さを感じます。 丸山:嬉しい!