【コンサルの仕事】「出社してアピール」は二流。一流が成果を出すためにやることとは?
東大生の就職先としても注目され、人気が高いコンサルティングファーム。一流のファームでは、どんな採用基準で人を見ているのか?『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』の著者であり、コンサルティング業界に特化したエージェントとして、17年間転職支援をしてきた久留須 親(くるす ちかし)氏に、その傾向の変化を聞いた(書籍から一部を抜粋・編集して掲載しています)。 ● 一流は「自分を生かす環境」を知っている コンサルティングという仕事は、知的労働以外の何物でもありません。とにもかくにも「考えてアウトプットする」ことが仕事です。パソコンひとつあればどこでも仕事ができます。文献調査やインタビューなどは、場合によってはパソコンがなくてもできます。 コロナ禍でリモートワークが普及しましたが、コンサルティングファームは2000年代から既にリモートワークが可能でした。当時から既に、プロジェクトで集まる時はもちろん出社しますが、個々人にタスクを振り分けた後の働き方は自由度が高く、アウトプットさえしていれば好きなところで作業をすることができました。 各コンサルタントが各々のワークスタイルを追求することができますし、ファームによっては、プロジェクト開始時のミーティングで各人が好む働き方を伝えて合意したりもします。 こうした裁量の大きい「知的労働」において、あなたは自分の「パフォーマンスが最大となるワークスタイル」をわかっているでしょうか? 例えば、リサーチ結果や大量データの分析から示唆を見出すような一人作業の時は、集中してパソコンと向き合えるほうがいいですが、その環境や時間帯は、意外と人それぞれだったりします。環境では、静かな部屋がいい人もいれば、オフィスで他の人もいて少し雑音が入るほうが集中できる人もいます。時間帯は、午前中のほうが頭が冴えている人もいれば、夕方頃から冴えてくるという人もいます。 また、アイデア出しや仮説構築などの思考力・発想力を発揮する必要がある仕事では、誰かとディスカッションベースで取り組んだほうがいいアイデアが出る人もいれば、逆に一人でこもって考えたいという人もいます。一人で考えたい人でも、部屋に閉じこもって考えるタイプもいれば、他のことをやっている時にフワッと考えが浮かんでくるという人もいます。このように、実は「成果が出る環境」は結構人それぞれなのです。 プロフェッショナルとして、自分のパフォーマンスを最大化できるワークスタイル、ルーティーンを知っておくことがとても大事です。 自分にどんな環境が向いているかは、ファームに入社する前でも、本書で述べた準備や対策、選考の進め方の中でわかってきます。 書類作成や面接対策では一人で作業をしますし、ケース対策では常日頃から思考訓練をします。その上で、面接を受ける時間帯や環境、さらには心身のコンディションを試行錯誤することで、自身のパフォーマンスを最大化できる条件を見出すことができます。もちろん、これまでの勉強やお仕事の中で既にわかっていることもあるでしょう。それをさらに昇華させ、転職活動の中で発揮し、ひいてはコンサルタントになってからもさらに高め、かつ維持できるようにするといいですね。 プロフェッショナルファームの一員として、ぜひ成果が最大になる環境を意識してみてください。
久留須 親