経営危機だった17年前のクリスマス 今年の聖夜は東証上場 アルピコホールディングス、再生の軌跡
長野県松本市に本社 スーパー、鉄道、バス、観光施設などさまざま事業を展開
アルピコホールディングス(HD、松本市)は25日、東京証券取引所のスタンダード市場に新規上場する。長野県内でスーパー、鉄道、バス、観光施設などさまざま事業を展開し、広く県民の暮らしに密接に関わる企業だ。2007年、アルピコグループはバブル期の巨額投資などが重荷となり、170億円余の債務超過が判明し、この年の12月25日、金融支援を要請。事業再生の一環で08年に設立したアルピコHDは、八十二銀行(長野市)などの支援を受けながら経営の立て直しを進めてきた。17年後の同じ日、東証の上場へとこぎ着けたアルピコHDの再生の軌跡を信濃毎日新聞の記事でたどる。 【経過表】アルピコホールディングスの創業から東証上場までの経過
アルピコが再生支援要請 債務超過182億円 社長ら辞任へ=2007(平成19)年12月26日付
松本電鉄(松本市)などアルピコグループ19社は25日、グループ全体で総額182億円の実質債務超過に陥り、「自助努力では返済できない」(滝沢徹・松本電鉄社長)と判断し、主要取引金融機関の八十二銀行(長野市)など8金融機関に金融支援を要請した。同行や投資会社のリサ・パートナーズ(東京)などが支援に乗り出す。支援総額は投資会社も含め200億円超。同時に事業再生計画を発表し、経営効率化で再建を図る。滝沢社長ら現経営陣は来年4月に引責辞任する。
アルピコHD設立を承認 堀籠社長「再生へ全力」=2008年4月15日付
金融支援を受けて事業再生を目指すアルピコグループの中核会社・松本電鉄(松本市)は14日、松本市内で臨時株主総会を開き、取締役に八十二銀行前常務の堀籠(ほりごめ)義雄氏ら8人を、監査役に3人をそれぞれ新任し、5月1日付で持ち株会社「アルピコホールディングス(HD)」を設立することを承認した。続いて開いた取締役会で、堀籠氏が社長に就任。取締役8人は、同日付で同HD取締役になる。債務超過に陥った経営責任を取り、社長を務めていた滝沢徹氏ら旧経営陣は取締役を退任した。
アルピコHD、2期連続最終黒字 「上場を」堀籠社長方針=2010年6月11日付
事業再生中のアルピコグループの持ち株会社、アルピコホールディングス(HD、松本市)の堀籠義雄社長は10日、松本市内で開いた2010年3月期の決算発表記者会見で、できるだけ早い時期に同HDの株式上場を目指す方針を明らかにした。上場に向けて課題を明確化する作業を始めており、社内に準備室も立ち上げる。