FC大阪、花園改修案見直し 令和10年3~6月の寄贈目指す 東大阪市と再び協定締結へ
サッカーJ3所属のFC大阪がホームタウンの大阪府東大阪市に対し、花園ラグビー場第2グラウンド(同市)に観客席などを増設して寄贈する計画を、設備を簡素化して見直す方向で最終調整していることが2日、分かった。当初はJ3公式戦に使用できる水準を目指したが、FC大阪の財務負担や資金集めの問題で難航したため、観客席5千席以上を維持した上で改修費の金額を圧縮。令和10年3~6月の寄贈を目指す。両者が近く合意に達し、月内に再協定を交わす方針という。 【表でみる】FC大阪の花園ラグビー場第2グラウンド改修をめぐる経過 花園第2の改修を巡っては令和元年11月、FC大阪が改修して同市に寄贈する計画を発表。約1300席の観客席を4倍近い5千席以上に増やすとともに、電光掲示板や照明、観客席上の屋根を設置し、Jリーグの公式戦でFC大阪がホームスタジアム(本拠地)として使用するとしていた。 ただ、当初案を実現するには50億円前後の資金が必要となり、FC大阪側が断念。改修計画を見直し、設備を簡素化する形で同市に寄贈する方向で調整している。観客席数は5千席以上を維持しつつ、電光掲示板などを寄贈対象に含めるかどうかを調整している。改修費は大幅に圧縮されるとみられる。 こうした見直し案をもとに、東大阪市とFC大阪は今月中に再協定を締結する予定。当初の寄贈時期は令和3年12月だったが、新型コロナウイルス禍の影響もあり、5年3月に延期していた。再協定では、当初案から6年半遅れの10年3~6月の範囲内で調整する。 来季もJ3で戦うFC大阪は市の暫定的措置として、花園第1グラウンドを公式戦に使う予定。ただ、次の寄贈時期も守られなければ、同市が暫定的措置を認めないことも検討する。 花園第2グラウンドは、年末年始の全国高校ラグビー大会の試合会場に使われる一方で、観客席の老朽化が課題となっている。市議会側はFC大阪が寄贈時期の約束を守っていないとし、昨秋以降、議会質疑などで問題視していた。 FC大阪は今季のJ3で6位となりプレーオフ戦に進出。1日の準決勝で引き分けに終わり、来季からのJ2昇格を逃した。(西川博明)