「新米がとれて価格が安定するかと期待していたが…」米が足りない!依然として高値で取り引き…米屋の嘆きに様々な声
米屋も米の生産を始めたが…今後の見通しは?
――日本人の米の消費量が減ったとはいえ、最近はインバウンドの増加で国内での消費量が増加するという現象が起きていると。 「はい。弊社の現状として、仕入れは昨年の半分ぐらいしか倉庫にない状態です。値段が倍以上上がって資金的にも厳しい状態が続いております。例年なら地元のお米を多く積み上げるのですが、今年は、他県から取り寄せております。その分、運賃とか値段も高いお米を買うようになって利益を圧迫しております。当分下がる予定はなさそうです。今後は、私たち米屋がお米の生産を増やし、近隣の水田を借り、高齢や後継者のいない農家さんの水田を弊社で耕して地域の農業を支えていきたいと思います。また、自分たちの作った河越米のブランド強化を図っております。 川越市とその周辺でイベントやキッチンカーにより河越米を炊飯し、直接食べてもらう地産地消推進をしております。キッチンカーも特別な車を2台用意。シトロエンというフランスの60年前の車はパリからやってきました。30年前のアメリカのスクールバスは、改造してうちの飼い猫のトラをイメージして作りました。自立型キッチンカーで災害時にも活躍できるように発電機を備え、レストランと変わらない設備を備えております。災害時、キッチンカーで炊き出しができるように2台とも自力で調理ができる設備や、お米の備蓄倉庫も完備。川越のふるさと納税に使われているお米で、キッチンカーでお赤飯やおこわを販売しています。お米の販売と生産、飲食を念頭に3本柱としてリスクを分散させる狙いです」 ――今後の国内の米生産の見通しについて、どうみていますか? 「今後も、離農する米農家さんは増え続けると思います。国が主導して農政を良い方向へ向かわせないと主食どころか自給率も低迷してゆくのでは。また今年来年とお米の量に関しては作況指数(作物の収穫量を平年に比べて表す指数)からいうと例年は間に合うぐらいと思いますが、やはりインバウンドの消費の分が増え続けていることなどから、この調子だと今年よりも、来年の方が不足気味になるかと思われます」 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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