送検時の平原容疑者（共同通信）

　福岡県北九州市小倉南区のファストフード店内で中学生2人が刺され、女子生徒が死亡した事件。発生から5日経った12月19日、小倉南区内の自宅で、平原政徳容疑者（43・無職）が逮捕された。なぜ、未来ある中学生の命が奪われてしまったのか。 【写真】平原政徳容疑者の、高校時代の卒業アルバム写真。バスケ部でしっかりした印象だったという

「塾帰りに『マクドナルド322徳力店』を訪れた中学生の男女が被害に遭ったのは、12月14日午後8時30分頃。地元の中学校に通う中島咲彩さん（15）は腹部を刺されて倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。平原容疑者は車で店舗に訪れ、入店後10数秒で中島さんと男子同級生を刺し、即座に現場から逃走。警察は現場から防犯カメラのリレー捜査で犯人の特定に至ったそうです。 　平原容疑者は調べに対し容疑は認めているものの、詳しい動機については語っていない。捜査官から同じ質問が続くと、激昂するなどの態度を取ることもあるようです」（全国紙社会部記者）

事件の3日前、家前に「カップ酒の空き瓶が20本」

　容疑者の自宅は現場から徒歩約15分の、住宅街のなかにある。柵に囲まれた二階建ての一軒家で、「平原月極駐車場」と看板がついた駐車場が併設されている。立派な家構えとは対照的に、事件前、不穏な“前兆”があったという。近隣住民の話。 「ゴミ収集車が行ってしまった後に、ご自宅前にゴミ袋を置いていたんです。何を出しているんだと思ってふと見たら、カップ酒の空き瓶が20本くらい、大量に入れられていた。ちょうど先週の水曜日、事件の3日前くらい前だったと思います……」 　近隣住民は、口を揃えて「騒音などの迷惑行為が絶えなかった」と話す。近隣に住む60代の男性の話。

「大声で『わー！』と叫び声をあげたり、拡声器を使ってカラオケをしたり。昨年あたりからそれがひどくなって、夏頃、近所の人が『大声を出すとみんな怖がるからやめてください』と言いに行ったんです。 　そしたら、『大声出して何が悪いんだ！』と逆ギレされたと。その後、余計に爆竹を鳴らすようになって、警察に通報する人もいた。それ以降しばらく、家の周りをパトカーが巡回してたんです」 　警察は「捜査員ら約20人を投入し、1人暮らしの平原容疑者の自宅の窓ガラスを割って突入し、身柄を確保した」（前出・全国紙社会部記者）と言う。 　世間が震撼したこの事件。真相究明が待たれる－―。