意外と知らない「iOS」と「Android」の違い 結局どちらのOSを選ぶべきなの?
2017年9月に発売されたiPhone 8は、2023年秋にリリースされたiOS 17でサポートを終了。スマホの買い替えスパンは2年~3年と言われる中、7年弱にわたってサポートが提供されたことを意味します。2023年時点では中古市場でもトップクラスの人気を誇っていた「名機」であり、2024年現在でもOSアップデートへの対応こそ不可となったものの、ホームボタン付きのiPhoneを求める方からの一定の支持を受けています。
一方、先述した通りAndroid端末はメーカーの独自機能が追加実装されている場合も多く、どこまでバージョンアップするかどうかはメーカー側がそれぞれ定めています。安価な端末では短期的にしかバージョンアップにしか対応しないという場合もあり、製品寿命が短めになることもあります。 ■セキュリティ:Appleは「プライバシーは基本的人権」を掲げる
Appleは「プライバシーは、基本的人権です。」というポリシーを掲げるほど、非常に高いセキュリティレベルを実現。ユーザーデータの管理にも厳しい基準を設けています。 例えば2016年にはアメリカで発生した銃乱射事件で、FBIが犯人のiPhoneのロックを解除しようとしたものの自力では解除できず、Appleに協力を求めました。しかしApple側はロック解除への協力を拒否。最終的にFBIはオーストラリアのハッキング会社に協力を求めてロックを解除できたものの、FBIですらロック解除に苦戦するほどiPhoneは強固なセキュリティであるという証明にもなりました。(※AppleはFBIに捜査協力をした事例もあるため、すべての捜査協力を一貫して拒否しているわけではありません) 一方、Androidは一般的にiOSよりもプライバシー面で脆弱性が多いと指摘されており「プライバシー重視」ならば積極的に選ぶ理由はあまり多くありません。 ■連携性 iOSはApple製品同士の連携が非常にスムーズで、iPhone、iPad、Macなどのデバイス間でのデータ共有や操作が簡単に行えます。例えば、iPhoneで撮影した写真をiCloudを通じてMacで編集することができます。またAndroidもGoogleアカウントを利用することで、異なるデバイス間でのデータ共有ができます。 とはいえメーカー側でカスタマイズが加わった機種の場合、iPhoneほどの一貫性はないとは言えるでしょう。例えばGalalxyの場合、一部の機能ではGoogleアカウントとは別に「Samsungアカウント」の設定が求められる場合があります。 ■ハードウェアの選択肢と価格帯 iPhoneはApple社のみが製造しているため、モデル数は限られていますが、その分「定評はある」と言えるでしょう。なお端末価格は継続的な高騰傾向にあり、例えばiPhone 15は124,800円~です。SIMフリー端末を一括で購入したい方にとっては、年々手が届きづらい端末になりつつあります。 一方でAndroidは多くのメーカーが様々なモデルを提供しており、価格帯も幅広く、低価格のものも多く「お財布に優しい」です。例えばGoogle Pixelシリーズで廉価版に位置づけられるPixel 8aは72,600円~。iPhone 15と比べると約40%も価格が安くなっています。 ■アプリ開発について 近年はスマホアプリ開発では「クロスプラットフォーム開発」が大きく広がっており、1つの開発言語でiOS/Android双方に向けてアプリケーション開発をするケースが増えました。 一方でAndroid か iOS のどちらか一方のみをターゲットとして「ネイティブアプリ開発」を行うケースもまだまだあります。ネイティブアプリはより軽量に動作するアプリを開発しやすいためです。 ネイティブアプリを作る場合、iPhoneアプリではObjective-C または Swift を使用します。Android のネイティブアプリは、Java または Kotlin で記述します。Javaは極めて汎用性が高いプログラミング言語であり、Kotlinも飛躍的に人気上昇を続けている言語の1つです。SwiftやObjective-Cに、JavaやKotlinほどの汎用性があるとは言えないでしょう。 アプリ開発に使うプログラミング言語の汎用性や覚えやすさ、言語としての将来性といった面においてはAndroidに軍配が上がるかもしれません。
「iOS」と「Android」はどちらを選ぶべき?
結論から言えば「プライバシーやセキュリティを最優先する」ならば、iOSがおすすめ。Android端末を、「プライバシーは基本的な人権である」と位置づけるApple製品よりも優先して選ぶ理由はありません。 一方で多様な機種や価格帯から選びたい場合は、Androidが最適です。多くのメーカーが様々なモデルを提供しており、自分のニーズに合ったスマートフォンを見つけやすいでしょう。 またご自身がアプリ開発者の場合は、Androidを優先して選ぶべきかもしれません。JavaやKotlinはプログラミング言語としての将来性が高い上、汎用性も高く「学習の価値がある」と言えます。
オトナライフ