クリンスマン氏が回想(C)Getty Images

元・韓国代表指揮官ユルゲン・クリンスマン氏は、インタビューで代表監督時代を振り返っている。 2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選 試合日程・結果・順位表 現役時代にはUEFAカップ制覇やドイツ代表としてワールドカップ優勝も経験、指導者としてもドイツ代表やアメリカ代表などを率いた経験を持つクリンスマン氏。2023年2月には韓国代表の監督に就任したが、翌年のアジアカップで準決勝敗退。大会後に解任の憂き目にあっている。 そして『The Athletic』でアラン・シアラー氏のインタビューに応じたクリンスマン氏は、「韓国の文化では誰かが責任を取り、非難を受けなければいけない。彼らは我々（コーチ陣）にあの大会の責任を負わせたんだ」と回想。韓国内の一部では、「アメリカの自宅に滞在しすぎ」や「試合後に笑いすぎ」などクリンスマン氏を厳しく非難する声も挙がっていたが、以下のように振り返った。 「私が韓国の文化に全く適応できなかったと言う人もいた。これに対する私の回答は、『私は多くのことに適応しようとした。だが100％自分たちのやり方に適応してほしいのであれば、そもそもなぜ外国人指揮官を雇ったんだ？ 物事の見方が違う別の国から来た人間をなぜ雇うんだ？ 韓国流にしたいのであれば、韓国人の監督を起用したほうがずっと簡単だろう？』だ」 「選手の70％が韓国でプレーしていたので、私は韓国とヨーロッパを何度も行き来した。トッテナムでソニー（ソン・フンミン）を見て、ナポリでキム・ミンジェも視察した。常に飛び回っていた。一番滞在できなかったのは、家族のいるカルフォルニアだよ」 「韓国の大学の試合、2部リーグ、ユースにも視察に行った。一度も行ったことがないと思われていたようだがね。そんな外国人監督は私だけだと思う。そのお陰か、今では韓国という場所をよく知っているよ。訪問するには素晴らしい国だ。ハイエンドでハイテク、食べ物は美味しいし、清潔で良い人たちも多い。魅力的な場所だよ」 「これも経験の一部だ。韓国では、負けた後に監督が相手を祝福したり笑顔は見せない。握手はするが、そのまま立ち去る。後でそう言われたよ。もちろん、事前には言われなかった。監督として謝罪し、責任を負う。小さなことでさえ大きな影響を持つんだ」 「だがソウルに戻ってみると、反応はまったく違った。みんなが近づいてきてくれた。韓国人は通常ハグをしないし、握手はするが一定の距離を保ってとても礼儀正しく振る舞う。でもアジアカップで準決勝に進んだことで、みんながハグをしてくれた。『監督、ありがとう。ここ何十年で一番エキサイティングだった』と言ってくれた。こうした経験こそがサッカーの全てなんだよ」