「同僚と二人でランチは浮気だろ!」優しい夫が急変、始まったモラハラとDV。耐えきれない妻が出た行動とは
巷では結婚の2倍も3倍も大変と言われる離婚。厚生労働省の「離婚に関する統計」によれば、離婚全体の約88%は当人同士の話し合いによる協議離婚、約12%は裁判所が介入する裁判離婚だ。 「2年以上、お互いの裸を見ていない」子供が欲しいのに新婚で即セックスレス。30代夫婦「お互いが抱える凍えるほどの苦悩」 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、裁判離婚の実情についてこう話す。 「裁判離婚にはさらに調停離婚や審判離婚などがありますが、もっとも長い期間を要し双方ともに疲弊するのが判決離婚と言われます。 ただ、離婚成立まで数年は確実にかかる上に、原告と被告に分かれて法廷で戦う心理的な負担が大きいこともあって、途中で申し立てを取り下げたり妥協して和解案を受け入れたりすることが多く、離婚全体の1%にも満たないんです。 かなりレアなケースですが、さまざまな辛苦を乗り越えて離婚成立という判決を手にする人もいます」 別れたくない夫と別れたい妻。「判決離婚」に至るほど揉めに揉めた事の発端は、気軽にやり取りしていたLINEだった...。 不動産会社の事務職として働く早川麻美さん(仮名・37歳)は、大学時代の先輩だった夫と結婚して10年目を迎えていた。 「子どもがいなかったこともあり休日にはよく遊びに出掛けました。二人とも旅行が好きで、年に数回は行っていましたね」 明るくポジティブ思考な夫は、麻美さんの仕事の愚痴も嫌な顔一つせず聞き、アドバイスをくれることも多かった。会社から営業職への転属の打診を受けた時も「麻美ならできるよ」と励ましてくれたという。 「自信がなくて一度は断ったんですが、夫に相談したら『意外と合っていると思う』と言われて。夫の後押しがあったから一歩踏み出せたというのはあります」 ほどなく、麻美さんは営業社員として新たなスタートを切る。週末に出勤し平日に休むという出勤体制になり、土日休みの夫と休日がほとんど合わなくなった。残業で帰宅時間が遅くなる日も増えたが、夫は夕食をつくってくれるなどフォローしてくれたという。 徐々に仕事にも慣れ、一人で営業に回って契約が取れるようになって張り合いを感じる毎日。それが一変したのは、麻美さんが営業になって半年ほど経った頃のことだ。 「出勤の支度をしている朝、夫が急に『スマホ貸して』と言うんです。不思議に思いながら渡すと、夫は私のLINEを勝手に開いて、あるやり取りの画面を私の顔の前に突き出しながらいきなり怒りはじめました」 夫が麻美さんに突き付けたのは、同僚の男性社員とのLINE。麻美さんの営業研修の指導係だった男性社員とは、研修終了後も緊急の対応があった時などにLINEで相談することがあった。 「夫は『オマエ! こいつと不倫してるだろ!』と怒鳴ったんです。『既婚者同士なのに昼飯一緒に食べたり仕事が終わった後にLINEしたりするのはおかしい!』と。 でも同僚同士でたくさんの人がいるオープンなお店でお昼を食べるのは普通ですよね。LINEも、どうしても急ぎの対応が必要だけどどうしたらいいか分からない時に質問する程度で、仕事の話しかしていないんですよ。落ち着いて読めば分かるのに『仲が良すぎる! ただの同僚じゃない』って」 さらに残業や土日の出勤についても疑うような発言をし出した夫に麻美さんも言い返し、大喧嘩に発展。しかも、これまでに何度も夫が麻美さんのスマホを盗み見していた事実を麻美さんは知った。 「そもそもやましいことがないので、結婚当初からうちは夫婦ともスマホにロックをかけていません。そこは暗黙の了解で、夫婦であっても見ないのがマナーです。なのに勝手にスマホを盗み見て勝手に不倫していると誤解して決めつけるなんて...」 なおも責め続ける夫を置いて出勤しようとした麻美さんに、夫はこんな暴言を吐いたという。「オイ、不倫相手に会いに行くのか」―。 その日から数日間、麻美さんと夫は一切話さなかった。夫はベッドではなくリビングのソファで寝るようになった。まったく身に覚えのない疑いをかけられて怒り心頭だった麻美さんだが、これでは埒が明かない。 さらに数日経った日の夜、夫に話し合いたいと麻美さんは提案した。冷静に始まった話し合いだったが、5分もしないうちに夫が激昂して麻美さんに暴言をぶつけはじめた。 「『不倫するために営業になったのか!』『俺の顔が思い浮かばなかったのか!』『言い訳ばかりだな』と早口でまくし立ててきて、それはひどいものでした」 不倫は事実ではないのだから譲れないとはいえ、夫婦関係を壊したくはない。麻美さんはその一心で、その後も何度か冷静に話し合いたいと夫に伝えた。しかし、同僚の男性との不倫を妄信している夫は聞く耳を持たない。話し合おうとしても一方的に怒鳴られるという繰り返しで数ヶ月が過ぎていったある日、いつものように高圧的な態度で麻美さんを罵倒してきた夫はついに反論する麻美さんに手をあげた...。 「『不潔な精神をオレが叩き直してやる!』と怒鳴りながら、逃げる私を追いかけては頭や背中や腰を殴ってきました。夫は大柄で力も強いので痛くて痛くて…恐ろしくて裸足で玄関から外に逃げ出すのがやっとでした」 追いかけてきた夫の大声で何事かと驚いて出てきた同じ階の住民数人が、夫と麻美さんの間に割って入ってくれて事なきを得た。体裁を気にした麻美さんは警察へは通報しなかったものの、その日のうちに必要な荷物だけをまとめて家を出て、事情を知っていた友人の家に一時的に身を寄せた。 夫とは冷静な話し合いなど期待できない。何より暴力をふるう人とは暮らせない。そう思った麻美さんは、複数の弁護士事務所に相談に行き、もっとも親身に話を聞いてくれた弁護士に離婚調停の申し立てを依頼した。 「『それは完全にモラハラ、DVです。理由もひどいですね』と言ってくださって心強かったです。両親が間に入ろうかと言ってくれていたのですが、怒り始めると暴言がひどくて手がつけられない夫をなだめるのは難しいだろうし、私がもう二度と夫の顔を見たくなかったんです。お金はかかるけれど弁護士におまかせした方がいいだろうと思いました」 申し立てから約1ヶ月後、麻美さんは弁護士とともに離婚調停の第一回期日に出席した。夫は離婚拒否を主張し、わずか10分ほどで話し合いは決裂した。だが、夫は離婚拒否を主張するだけでは飽き足りなかった。 ★★★後編はこちら★★★では、1ヶ月半前後の間隔で期日が重ねられていく中、夫が離婚阻止のために起こした驚くべき行動と、離婚騒動の結末をレポートする。 取材・文/浜野由衣
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