“声”以外のスキルも身につけた声優たち 上坂すみれ、木村昴、村瀬歩らの多才ぶりに迫る
昨今では、声優のメディア露出が増えたことで、声優を志す者が増えてきている。声優養成所の志望者も年々増加傾向にあり、国内だけでなく海外版の日本アニメで活躍する人材を育てるため「国際声優プロコース」を設置したりという動きもあるほどだ(※)。非常に競争率が高い声優業界では現在、歌、ダンス、楽器演奏……など「声+αの武器」が当たり前になっているのである。 【写真】木村昴主演『クラスメイトの女子、全員好きでした』場面写真 声優の上坂すみれは現在放送中の夏アニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』でロシア語を話すヒロインを好演中。“バイリンガル”という武器を仕事に活かしている。本記事では多言語など「声」以外のスキルをもつ声優を中心に紹介し、「声+αの武器」の重要性について考えていく。 ●上坂すみれ 文頭でも軽く触れたが、現在上坂はアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』のメインヒロインであるアリサ・ミハイロヴナ・九条(アーリャ)を演じている。アーリャは主人公・久世政近に対しツンとした態度で接しているが、たまにロシア語でデレてくる……という、まさに今までにない“ツンデレヒロイン”である。第1話でも「かわいい」「真っ赤になって赤ちゃんみたい」「浮気者」などの台詞を上坂はロシア語で見事に表現していた。 そんな上坂だが、実は大学時代にロシア語を専攻しており、その実力は履歴書に「特技:ロシア語」と書くほどだ。(※2)ソ連の文化に興味を持ったのがきっかけでロシア語を覚えたという彼女の経験は、本作だけでなくアニメ『ガールズ&パンツァー』ノンナ役でも活かされていた。日本人の中でも貴重な“ロシア語のバイリンガル”である上坂の演技に第3話以降も注目していきたい。 ●村瀬歩 『ハイキュー!!』日向翔陽役でも知られる村瀬歩は、“英語&韓国語のトリリンガル”という一面を持つ声優だ。アメリカ出身の帰国子女でもある彼の語学力はアニメ『Paradox Live THE ANIMATION』で存分に堪能することができた。 本作で村瀬は、韓国で有数の財閥生まれの青年、燕夏準を演じている。第1話では燕が所属するユニット「BAE(ベイ)」が「BaNG!!!」という楽曲を披露しているのだが、この曲で村瀬は日本語、英語、韓国語を見事に使い分けている。本楽曲で彼がトリリンガルという事実を知り、驚いた視聴者も多いのではないだろうか。元々声域が広いことでも知られる村瀬だが、本作では彼の貴重な姿を見ることができた。今後彼が自身のスキルをどのように活かしていくのかにも着目していきたい。