レバノン議会、新大統領に軍司令官選出 ヒズボラの影響力低下を反映
レバノン議会は9日、2年以上も空席となっていた大統領に軍司令官のジョセフ・アウン氏を選出した。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの戦闘で傷ついた国土の復興や、経済危機への対応に手腕が問われる。 レバノンでは2022年10月に前大統領が退任した後、政治的対立から後任選びで調整がつかない状態が続いていた。しかし、ヒズボラが推してきた候補が8日に撤退を表明。9日の議会での投票で、最終的にヒズボラと連携組織の議員らがアウン氏の支持にまわったことで政治的空白が埋まることになった。 アウン氏は、米国やサウジアラビアなどからの支持を受けているとされる。イランの支援を受けてきたヒズボラは、イスラエルとの戦闘で最高指導者だったナスララ師のほか多くの幹部が殺害されるなど、大きな打撃を受けており、影響力の低下が表面化する形となった。
朝日新聞社
