まさかの斎藤氏再選でテレビは“お通夜”状態…それでもマスコミが「偏向報道」をやめられない“オトナの事情”とは
この大政翼賛会的な偏向ぶりについては、ネットやSNSでは「特定の政治勢力とグルになって既得権益にメスを入れようとする者たちを潰すことがマスゴミの仕事だからだ」という理由が語られることが多い。 しかし、実際に大手メディアで勤務経験があり、この15年ほど「偏向報道」の問題を指摘し続けてきた立場から言わせていただくと、そんな壮大なスケールの話ではなく、もっとセコくて、しょうもない理由だと考えている。 それは一言で言ってしまうと、「権威に弱い」ということだ。 ● 「客観報道」を掲げる大手メディアの矛盾 ご存じのように、大手メディアは「反権力」「権力の監視」を掲げている。だから政治家や有名人という「権力者」に不正・不祥事があれば、これでもかというくらい徹底的に糾弾する。 しかし、その一方で実は公務員、弁護士・医師・大学教授、さらに同業である他のメディアという「権威」には滅法弱い、ということはあまり知られていない。 このような「権威」が主張をすることは無批判で取り上げるだけではなく、「権威」が嫌がる反対意見・異論を徹底的に排除してしまう傾向がある。 わかりやすいのは、アメリカ大統領選報道だ。 先ほども申し上げたように、ワイドショーや選挙特番では、トランプ氏を「民主主義の敵」と憎悪するリベラル文化人コメンテーターのハリス推し意見一色だった。 しかし、ネットやSNSにまで視野を広げると、トランプ氏優勢を伝える専門家やジャーナリストもそれなりにいた。「中立公正」「客観報道」だと胸を張るテレビは、なぜ彼らには「出演オファー」をしなかったのか。 この不可解な現象について、某キー局の情報番組に関わっている人物に尋ねたら、以下のような理由が返ってきた。 「そういう人をスタジオに呼んだり、VTR出演させたりすると、アメリカ政治や民主主義の権威として知られる著名な学者や評論家が“そんな偏向した番組には出たくない”と言ってくるので、オファーができない」 一般の方たちにはにわかに信じられないかもしれないが、メディアで働いてきた人からすればこれは特に驚く話ではない。