ビットコインマイナー、当局の正当性を欠く「緊急命令」に勝利
調査要請の問題点
DOEに勤務していたブラッチャー氏によると、当初の調査依頼には、政府がどのように機密性の高い企業情報を保護するのか、また、この種のデータ収集では標準的な慣行である通り、公表された場合に匿名化されるのかどうかについての情報が欠けていたという。 さらに重要なのは、ライオットや他の原告団が訴訟で主張していたように、暗号資産マイナーは「EIAに機密性の高い専有情報を開示させられることで、即座に取り返しがつかない損害を被る」ことだ。この調査では、マイナーが回答しなかった場合、刑事罰が科される恐れがあった。 ブラッチャー氏は、この情報収集は最終的に、ますます重要性を増している業界に光を当てる可能性があると述べた。しかしブラッチャー氏は、EIAが業界と協力して、より正確で有用な調査を設計することを望んでいる。 例えば、マイナーがどの事業者から、どれだけの電力を消費しているかだけでなく、そのフレキシブルな電力消費が送電網にどのようなメリットをもたらし、より環境に優しいエネルギー生産にどのようなインセンティブを与えるかについても質問するべきだ。 テキサス州では、マイナーは州の送電網運営者と直接連携し、数百万人が停電に見舞われた2021年の寒波のときのように、送電網に負荷がかかる時間帯に電源を落としている。 EIAの緊急命令の正当性を裏付ける根拠が、マイニングがいかに「公共の害」につながるかを評価するためだったというのは皮肉な話だ。 この調査は何らかの形で復活する可能性が高いが、この瞬間は、当局の標的となっているように思える業界にとって真の勝利と言える。 米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長、ジャネット・イエレン財務長官、エリザベス・ウォーレン上院議員といった人物は、暗号資産を常に詐欺と同一視しているだけでなく、間違いなく、暗号資産を抹殺しようと積極的に取り組んでいる。 ウォーレン議員がマイニング業界の取り締まりを求め、ニューヨークを含む各州がその発展を遅らせることを意図した政策を可決していることは注目に値する。リップル(Ripple)対SECのケースのように、暗号資産業界が反撃に出るとき、裁判所で公正な審理が行われれば、ときには勝利することもできる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:JSquish/Wikimedia Commons|原文:Bitcoin Miners Show Muscle Pushing Back Against Warrantless 'Emergency' Order
CoinDesk Japan 編集部