火の粉浴び復興祈る 宇出津・あばれ祭開幕、キリコ乱舞
石川県無形民俗文化財「あばれ祭(まつり)」は5日、能登町宇出津で2日間の日程で開幕し、住民は柱松明(はしらたいまつ)の周囲で火の粉を浴びながらキリコを乱舞させ、能登半島地震からの復興を祈った。発生から半年がたつ中、日本遺産「能登のキリコ祭り」の先陣を切ってほぼ通常通りに開催。損壊した家屋が残る港町を神輿(みこし)2基とキリコ37基が勇ましく進んだ。 【写真】地震の爪痕が残る通りを練り歩くキリコ=5日午後4時、能登町宇出津山分 八坂神社で神事が営まれた後、神輿は氏子宅を回った。高さ4~6メートルのキリコは太鼓や笛、鉦(かね)の音を響かせながら出発。高さ約8メートルの柱松明5本が並ぶ宇出津港いやさか広場では、「イヤサカヤッサイ」の声に合わせてキリコが練った。俳優早乙女太一さんらの舞台公演も行われた。 あばれ祭は疫病を鎮めるため約360年前に始まったとされ、荒々しさを好む祭神をもてなし、港町の平穏を祈る。6日も神輿とキリコが巡行し、川や火に投げ込むなどして神輿を傷め付ける。