サウジ皇太子が来日、日本アニメ好きの一面も 「MBS」どんな人?
20日に公賓として来日する予定だったサウジアラビアのムハンマド皇太子(38)。日本政府は同日午前、サウジ政府から来日延期の連絡があったと明らかにしました。 【画像】来日中のサウジ皇太子、女性の運転や一部酒解禁も 狙いは ムハンマド皇太子は、中東で大きな影響力を持つサウジで、「改革者」として支持を得ている一方、強権的な政治手法が批判を受けることもある。日本アニメが好きという側面も。どんな人物なのか。 ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、名前の頭文字から、国際的には「MBS」とも呼ばれることも多い。サウジのキング・サウード大学を出て、国務相や国防相などの要職を務めた後、2022年から首相。 18年に世界で唯一禁止されていた女性の自動車運転や映画館での鑑賞を解禁した国内改革などで世界を驚かせた。 日本アニメやゲームが好きで、新婚旅行でも日本を訪れたとされる。3月には、人気漫画「ドラゴンボール」の世界初のテーマパークが、サウジにつくられることが明らかになった。 一方で、強権的な政治手法への批判もある。18年、サウジ政府に批判的な同国のジャマル・カショギ記者が殺害された事件では関与を疑われた。 サウジに詳しい日本エネルギー経済研究所中東研究センターの近藤重人・主任研究員は「欧米に留学してきた王族の異母兄弟とは違う、『一般的な市民』に近い部分が支持され、皇太子自身もそれを最大限利用してきた。イスラム教の戒律を最低限尊重しながら、自由化の方向は続くだろう」と話している。(鈴木峻)
朝日新聞社