再審法改正へ 与野党議員が議連を発足「先延ばしせず今改正を」
「ついに」と言うべきか、「ようやく」と言うべきか――。与野党の国会議員たちが史上初めて、えん罪被害者の速やかな救済を実現するため、再審法(刑事訴訟法の再審制度の規定)の早期改正に動く議員連盟を3月11日、発足させた。これまでその問題には気づきながらも、多くの国会議員が結束して行動を起こすには至らなかったが、袴田事件で年齢を重ねた当事者の姿や、日本弁護士連合会(日弁連)による粘り強い働きかけが、法改正をめざす動きにつながった。
「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」と名付けられた団体には、衆参の各党国会議員134人がメンバーとなった。会長には自民党の元文部科学相の柴山昌彦衆議院議員、幹事長には立憲民主党代表代行の逢坂誠二衆議院議員、事務局長には自民党の井出庸生衆議院議員が就いた。呼びかけ人には自民党の麻生太郎副総裁、公明党の山口那津男代表、立憲民主党の泉健太代表、日本維新の会の馬場伸幸代表らが名前を連ねた。 国民民主党の玉木雄一郎代表も呼びかけ人になったほか、3月11日の設立会合に出席し、次のようにあいさつした。 「大変難しい問題ではありますが、人権の問題、同時に司法の公正性をどう担保するのかという、国家のありようそのものにかかわる非常に重要な問題だと思っております。党としても関心を持って取り組みたいし、各党の先生方としっかり協力して、進めてまいりたい」 事務局によると、メンバーの半数以上が自民党の議員という。会長となった柴山氏は記者会見で「最大の意味は、与党の国会議員がこれだけ多く集まったこと。政策実現のためのムーブメント(動き)がある」と語った。 また、議員連盟の発足がなぜこの時期となったかについて問われた幹事長の逢坂氏は「袴田事件の結論(判決)が早々にも出る。(法改正は)国民のみなさんには後押ししていただく必要があるので、世論の盛り上がりとちょうど良いタイミングだと思っている」と述べた。