【サッカー日本代表 板倉滉の「やるよ、俺は!」】第17回 人生で最もひどかった中学時代
■暗闇から抜け出すきっかけとなったのは 中学校時代は思い出すと冷や汗をかくほど闇が深かったわけだが、ようやくにして一筋の光が見えたのは中学3年の夏のこと。 チームから親ともども呼ばれ、三者面談を行なったところ、そこでまさかのユース昇格を告げられた。試合にもろくに出ていないのになぜ?と思ったが、フロンターレは切り捨てることをせずに、僕の小学生時代からの実績と期待値を買ってくれたのだろう。 追い風は吹くもので、この頃には身長もぐんぐん伸びていった。それは、高校時代に入ってもなお続き、現在の背丈(187㎝)に届く勢いだった。 もし、今の僕が中学時代の僕に出会うことができたなら。シンプルに「おまえ、もっとちゃんと考えてやれよ。飯をしっかり食って、よく眠れ」と一喝することだろう。 確かに難しい時期ではあった。その頃はフロンターレのジュニアユース自体も、僕らが小学校高学年で世界大会に出たときほどの勢いはなく、停滞期を迎えていた。 だが、中途半端なのはやっぱりダメだ。どんなに先行き不透明であっても、継続して真剣に打ち込むべし。努力は怠らないこと。必ず日はまた昇るからだ。 諦めることほど、瞬間的で楽なものはない。ただし、後悔という大きな代償を伴う。どんなに腐りかけても、少しずつ前へ。声を大にしてそれを言いたい。 構成・文/高橋史門 撮影/山上徳幸