シェルがオランダの控訴審で逆転勝訴、温室効果ガス排出削減巡り
Stephanie van den Berg [アムステルダム 12日 ロイター] - オランダの控訴裁判所は12日、英石油大手シェルに対して温室効果ガス排出量の大幅削減を命じた原判決を取り消した。上訴していた同社の逆転勝訴となる。 2021年の原判決はシェルに対し、同社商品の使用によるものも含め、絶対的な炭素排出量を30年までに19年比で45%削減するよう命じていた。 ハーグの控訴裁は、シェルには地球温暖化から人々を守るため温室効果ガスの排出を削減する責任があるものの、同社自体はすでに要求された排出目標の達成に向かっており、自社商品の使用による排出量も削減するよう命じることが気候変動との闘いに役立つかどうかは不明だと指摘した。 シェルのワエル・サワン最高経営責任者(CEO)は今回の判断を歓迎し、「世界のエネルギー転換、オランダ、そしてわが社にとって正しいもの」だと述べた。 一方、訴訟を起こした環境保護団体「地球の友」オランダ支部は「これは痛い」としつつ、上告するかどうかについては明らかにしなかった。