海外旅行ついでに小遣い稼ぎ 他人の荷物を預かって運ぶ、リスクはないの?
今年3月、IT系ニュースサイト「GIGAZINE」が取り上げた荷物配送マッチングサービス「CARGO2SHARE 」がインターネット上で物議を醸しました。これは、海外に住む友人などに荷物を送りたいと思ったら、ウェブサイトから条件に合致するルートやスケジュールで旅行する人を検索。該当する旅行者がいたら、ウェブサイトからメールや電話で連絡を取り、荷物を預け、運んでもらうサービスです。 ウェブサイトでは、ガス・引火性の燃料、武器類など、依頼を禁止している物を記載していますが、サービス側でのチェックはないとのこと。つまり、依頼者がそれらの物を紛れ込ませたとしても、監視の目はありません。そのため、いわゆる「運び屋」になってしまう可能性が高く、Twitter上では「犯罪に利用される可能性が高い」「危険すぎる」といった声が多く挙がりました。
預かっていた荷物から禁止物が発見されたら……
そもそも、空港などでは他人の荷物を預からないようにと呼びかけていますが、このサービスに違法性はないのでしょうか? 税関担当者に聞いてみました。 「税関の業務は関税法に基づきますが、それと照らし合わせれば、自分の持ち物以外を預かって運ぶことは禁止されていません。ただし、日本に入国(帰国)する際には、必ず『携帯品・別送品申告書』を提出し、携行した荷物について税関に正しく申告する必要があります」(税関担当者) 「知らなかったではすまされない」とよく言われますが、弁明の余地はないのでしょうか? 「他人の荷物を預かって運んで、仮に税関検査でその荷物の中から日本への輸入が禁止されているものが発見された場合は、運んだ人から、荷物を預かった経緯等について詳しく事情を聞いた上で、処罰も含めたその後の対応を判断することとなります。いずれにしても、安易に知らない人の荷物を預からないよう、注意をお願いします」(税関担当者) そもそも、輸入が禁止されているものが発見された場合の対応は、国によって異なります。海外で「モノを運んでほしい」と頼まれてチョコレートを持ち帰ったら、その中から覚せい剤が発見されたケースもあるようです。 これは不正薬物の密輸に当たり、ほとんどの国で重罪になります。国によっては、最高刑の死刑を定めていることも。例えば、 最近では次のような事例もあります。