中国、深セン邦人男児刺殺で協議 「司法手続き進めば説明する」
【北京共同】日本外務省の岩本桂一領事局長は17日、中国広東省深センの邦人男児刺殺事件を巡り、中国外務省のトウ励次官ら当局者と北京で協議した。中国側は司法手続きが進んだ段階で事件について説明する意向を示した。岩本氏が協議後、記者団の取材に明らかにした。 協議で日本側は一刻も早い事実解明と説明を要求。中国のSNSでの反日的な投稿の取り締まりを含め、邦人の安全確保に向けた迅速な対応の重要性を強調した。 18日で深センの事件発生から1カ月。江蘇省蘇州で6月に日本人母子が中国人の男に切り付けられた事件も合わせ「中国の在留邦人の不安は急速に高まっている」と岩本氏は中国側に訴えた。 中国側は刑事事件の裁判は公開されると指摘し、深センと蘇州の事件の裁判も公開される見通しを示唆した。 再発防止の在り方も議論。日本人学校がある各地の治安当局と日本側が安全確保に関して情報交換するなど、日本の在外公館と中国現地当局の間で取り組みが進んでいることを確認した。日中双方は今後も意思の疎通を続けることで一致した。