日本のパトリオット配備地は狙われるは誤解、ウクライナ戦争がはっきり証明
■ 2.北朝鮮とロシア、ミサイル類似点と相違点 短距離弾道ミサイルについては、ロシアは陸上発射のイスカンデルM(射程400~500キロ、速度マッハ6)と空中発射の「キンジャール」(陸上発射と同じ型)を保有している。 ウラジーミル・プーチン大統領は、「このミサイルは、米欧の防空ミサイルでは撃墜されない」と自慢していたものだ。 しかし、ウクライナでは「パトリオットミサイル」で撃墜されている。 北朝鮮はイスカンデルM型を保有しているが、空中から発射できる「MiG-31」戦闘機がないために、キンジャール型を保有していない。 近い将来、MiG-31戦闘機が供与されれば、このミサイルを保有することになるだろう。 巡航ミサイルについては、ロシアは空中発射の「h-555ケント」(射程2500~3500キロ)と「kh-101コディアック」(射程4500~5500キロ)、水上(中)発射の「3M-54カリブル」(射程2000~2500キロ)、陸上発射の「イスカンデルK」(射程約2000~2500キロ)を保有している。 北朝鮮は、水上(中)発射と陸上発射型を開発している。性能は、北朝鮮が実験時に発表している数値に近い。 空対地ミサイルについては、ロシアは超音速爆撃機「Tu-22Mバックファイア」から発射される「kh-22キッチン」(射程600~750キロ、速度マッハ3.5~4.6)を保有している。 ウクライナの防空ミサイルで、これまで撃墜されたという情報はないようだ。 その理由は、超音速で飛行する爆撃機から発射される場合、ミサイルの飛翔速度は、ここに示されている数値よりも、かなり速くなっているからと考えられる。 北朝鮮にはこの爆撃機がないために、この種のミサイルも保有していないし、また、開発もしていない。 図 ロシアが使用しているミサイルの種類と北朝鮮が保有する同型