マカオ税関が中国ボーダー近くの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…冷凍牛もつ2500kg発見
澳門海關(マカオ税関)は9月13日、同月12日夜にマカオ半島北部・台山エリアの牧場街にある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点の店舗兼倉庫を摘発したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。
税関によれば、通報による情報及び近日検挙した密輸事案の分析と追跡を進め、ターゲットを絞り込む中、12日夜に税関職員が当該工業ビルをパトロールしていた際、運び屋向けの密輸品供給拠点になっているとみられるテナントを発見したことから、即座に摘発を行ったとのこと。 摘発時、店舗には責任者の男がおり、テナント内から輸出入に必要となる書類のない冷凍牛もつ2500キログラム、市価およそ10万パタカ(日本円換算:約175万円)相当が見つかったという。
当該テナントの責任者の男(35)はマカオ人で、税関ではこの男が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報したほか、営業許可証なしで店舗を開設していたとして財政局が調査を進めるとした。 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案の摘発が頻発している。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、牛もつやロブスターといった食材と中古スマホやCPUといった電子製品が目立つ。