<MLB速報>マー君、2失点で6回途中降板、開幕白星を飾れず!
ヤンキースの田中将大(27)が、悪天候で流れた現地時間5日のアストロズとの開幕戦にスライド登板、6回二死から2-2となる同点本塁打を浴び、続く打者に四球を与えたところで降板を告げられた。5回と3分の2を投げ、87球、4安打、4奪三振、2失点の内容で勝ち負けがつかなかった。2年連続の開幕投手の栄誉は、日本人では、2003年、2004年にドジャースで務めた野茂英雄以来、2人目。 昨年は、ブルージェイズ戦で5失点して負け投手となっていたマー君は、2度目のチャレンジでも白星を飾ることができなかった。最速は146キロ。球威よりも、フロントドア、バックドア、スプリット、スライダーを駆使して、ストライクゾーンを立体的に使い、ボールを動かすことに主体を置いた投球術が印象的だった。
昨日の雨が嘘のように青空が広がった。 ヤンキース球場の気温は2度。極寒のスタジアムにさらに強い風が吹き抜ける。 始球式は、ヤンキースの“レジェンド”松井秀喜。最高の演出を終えた松井は、開幕のマウンドに立った田中と、グータッチを交わした(一度目のグータッチは空振りに終わり、やり直したのだが)。 荒天候による中止を受けてのスライド登板だった。 どの投手もスライド登板は嫌がるものである。それも開幕。独特の緊張感が2日間も続くのだから当然だ。 しかしマー君は、いつものマー君だった。対戦相手は、昨季の地区シリーズ進出決定戦で敗れたアストロズ。しかも、アストロズの先発も20勝8敗でサイヤング賞を奪ったカイクルとくる。同じ顔合わせだ。その試合で田中は、5回2失点、対するカイクルは6回無失点。両エースの明暗が勝敗を分けている。 「ヒューストンに負けてシーズンが終わった。同じカイクルとの投げ合い。その反省も含めて組み立てたい」。スライドの不安よりも、マー君のリベンジの思いが上回ったのか。 最高のスタートを切る。2年目の首位打者、アルトゥーベをフロントドアでショートゴロに打ち取ると、今度は、スプリンガーをバックドア。3番の昨年の新人王、コレアはスライダーでスイングアウト。二回の先頭は、ポストシーズンゲームで一発を浴びたラスムスである。だがその4番打者もツーシームでセカンドゴロに打ち取った。5番のゴメスには、この日初めて使う伝家の宝刀、スプリットでスイングアウト。 マー君に、パーフェクトに牛耳られ、一人の走者も出せないアストロズは、3回一死からゴンザレスが、セーフティバントを仕掛けたが、これもファウル。結局、ツーシームをひっかけて一塁ゴロ。3回を9人。まさにストライクゾーンをダイナミックスに使う完璧なピッチング内容で、マー君の2016年シーズンは、滑り出した。 味方打線も、マー君を援護。二回二死満塁の先制機に今季カブスから移籍してきたカストロが、レフト線を破る先制の2点タイムリー。カイクルから先に点を奪ったのだ。