『LIVE AZUMA』実行委員会・坂口氏インタビュー あづま総合運動公園でお祭りがやってるぐらいの気軽に楽しめる存在に
――参加していると『LIVE AZUMA』は、地方版の『SUMMER SONIC』という印象があって、それはフェス全体の雰囲気やホスピタリティから、企画・運営を手がけるクリエイティブマンの方々が長年培ってきたノウハウが大きいのかなとも感じます。 坂口 我々も実際に『サマソニ』で得た知見のいくつかは反映してきているつもりですが、『LIVE AZUMA』の成り立ちのひとつには、今でも大切な仲間や後輩が数多くいる学生ボランティアチームが『サマソニ』にはあったのですが、その内のスタッフのひとりとして『サマソニ』に参加してくれていたのが、現LIVE AZUMA実行委員内の福島テレビの佐藤将一さんなんです。いつか一緒にフェスを創りたいねと学生時代に『サマソニ』で一緒に汗をかいて働きながらおとぎ話的な夢を語っていたのが、20年近くかかって実現できていたりする側面もあるので、規模や内容の違いはあれど『サマソニ』が原体験でもありひとつのモデルというのはどこかにあるかなと思っています。個人的にはそれに加えて、横浜赤レンガ地区野外特設会場で開催されている『GREENROOM FESTIVAL』にも近いと思っていて。それは有料エリアだけではなく無料エリアも大いに盛り上がっていたりして、ベビーカーを押した親子連れの参加者や、友達とは勿論のことデートだったりでも来られるような、音楽だけじゃないカルチャー感が溢れるムードというところも含めて、どこか近しい空気や雰囲気が感じられるなというのはあると思いますね。ちなみに一部の装飾は『GREENROOM FESTIVAL』でやられているチームにも入っていただいているので、特に夜の雰囲気は公園の木々と相まって素敵な仕上がりにしてもらっています。 ――『サマソニ』に比べての、『LIVE AZUMA』のブッキングの特色というのはありますか? 坂口 例年『サマソニ』にご出演していただいている方もいらっしゃいますけど、福島ではなかなか観られないような方にもお願いさせてもらうようにはしています。福島市にあるClub NEOには、DJやHIP HOPのアーティストがライブに来たりもしているのですが、そういったカルチャーに合わせて、『LIVE AZUMA』でもHIP HOPの方たちなどは毎回必ずフェスへお迎えするようにしています。全アーティストが推しですが、例えば初日のPARK STAGEに出演するMFSは、今後日本を代表するフィメールアーティストになっていくかなと思っています。アーティストのブッキングに関してはジャンルレスで、決まり事は無し。とにかく実行委員会内のメンバー含めて、好きなアーティストさんにこのフェスで是非演奏していただきたいというような方をお呼びする感じですね。打ち合わせでは様々なアーティスト名が飛び交っています。実行委員会内の株式会社フライング・ベコの佐藤亮太さんなどは、他のフェスもサポートされている方なので、話していると毎回新しい発見があるんですよね。年代的に僕らの上の大先輩の方々の世代がフェスを作ってきた中で、まだまだ若輩者ですが私共もようやく自分たち世代が中心となってフェスをスタートして携わることをさせてもらっています。これまで色々なフェスで観て経験させてもらったことを活かしながら、このチームと世代感だからできるものもやってきたいという気概はあります。 ――今年のアーティストのラインナップの特徴として、開催3年目としての「物語性」、間口の広い参加者を集める「大衆性」、そして先ほどお話されていた初年度からPARK STAGEの軸にあるヒップホップは「独自性」にあると思っています。 坂口 おっしゃる通り、それぞれのアーティストさんに物語性というのはありますね。例えば羊文学さんは、まさにそうです。昨年は念願叶って出ていただけて、ボーカルの塩塚さんのお母様が福島市のミスピーチキャンペーンクルーを受賞されているという縁深いお話もステージのMCでされているのも聞けました。そしてありがたいことに今年は2日目のトリを務めていただきます。羊文学さんのライブは何度も拝見していて、楽曲もステージングも圧倒的なので、楽しみでなりません。