トヨタ「ハイラックス チャンプ」はタイで193万円から! カスタムベースとして日本へ導入される可能性はある?
デッキの大量のボルト穴が物語る圧倒的な拡張性
ハイラックス チャンプの最大の売りは、自由な拡張性にある。フラットなデッキは未装備タイプを選ぶこともできるし、デッキまわりには大量のボルト穴が設けられている。ボルトとナットで車体と架装部分を簡単に締結できるようにとの配慮である。 バンコクモーターショーでは4台のハイラックス チャンプ架装モデルが展示されていたが、中でも最も注目を集めていたのは、標準仕様では14インチの鉄チンホイールなのに対して、20インチのWORKグノーシスCVXホイールをインストールしていたカスタムカーだ。 これはタイのトヨタディーラー大手「TOYOTA SUMMIT」と、バンコクのカスタムショップ「AZC Original」がコラボしたクルマで、足まわりの他、シートはレッドが映えるレカロRCS、リアにはセンター2本出しマフラーが光っている。 が、インパクトの強いフロントマスクは、じつはほとんど純正仕様のままだったりする。近年のトレンドを採り入れてゴツゴツ感とギア感を強調したグリルやバンパーは全モデル共通で、「二」の字型のLEDが未来感をアピールするヘッドライト部分は最上級仕様「アトラクティブ パッケージ」に用意されているもの。下部のリップスポイラーだけが後から追加された要素だ。
日本に導入される可能性は?
タイではピックアップトラックが最も身近なクルマであり、カスタムシーンの主役でもある。もちろんハイラックスも、サーキットでのレースからドレスアップ系、アウトドアなど、多彩なカスタムが行われている。 そんな中で、さらに安価かつカスタムを前提とした弟分のハイラックス チャンプは商用車としてのポテンシャルの高さはもちろんだが、若者にも買いやすく素のデザインもカッコいいときている。今後タイのカスタムシーンで大人気となるだろうことは想像に難くない。 * * * 2024年1月の東京オートサロンでは、ハイラックス チャンプにいち早く着目した群馬トヨタが早速1台を展示していた。並行輸入は現実的に難しいとのことだが、日本市場での要望の声が高まれれば、トヨタ本体が国内発売に踏み切る可能性もゼロではない。三菱がタイ生産の「トライトン」を日本発売し、ピックアップトラックがアクティブな人々に注目されている今、ハイラックス チャンプがトヨタの隠し玉となる、かもしれない。
AMW 竹内耕太