大北、木曽に熊出没警報 長野県が5地域に
長野県は9日、特に熊の目撃情報が多い大北、木曽などの県内5地域に「ツキノワグマ出没警報」を発出した。期間は10月14日まで。各地域振興局が地元の市町村などと連携し、被害発生地点や目撃箇所を中心に広域的にパトロールを実施。さらなる人身事故を防ぐための対策を講じる。松本など他の5地域は、6月に発出した「出没注意報」を継続する。 県庁で関昇一郎副知事を本部長とする野生鳥獣被害対策本部会議を開き、警報の発出を決定した。 大北地域は4~8月の目撃情報が177件あり、平常年の1・99倍に達している。5日には松川村で60代と80代の女性が熊に襲われてけがをした。木曽地域は8月の目撃情報が55件と多く、同月までの3カ月間はいずれも前月を上回る状況が続いている。 松川村で女性2人が襲われた場所は、山手から1・7キロほど離れており、駆除された熊は稲のもみを食べていた。会議に出席したNPO法人信州ツキノワグマ研究会理事長・岸元良輔さん(71)=長野市=は「松川村の事例でも分かるように、普段は出没しないような場所にまで出ることがある」と説明する。山中に熊の餌が乏しい今月末までは、住民一人一人が出没情報を確認するなど、特に注意が必要だという。
市民タイムス