欧州宇宙防衛産業は協力強化を、トランプ政権2期目控え各社幹部
Tim Hepher Andrew Gray [ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州の航空宇宙産業各社は欧州各国政府に対し、トランプ米次期政権の発足に備えて欧州業界の協力を強め、自立性を高めるよう促している。 トランプ政権は欧州の安全保障への関与を弱めると懸念されている。 欧州の宇宙産業はまた、米実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXとの競争や、トランプ氏がちらつかせる新たな関税にも直面しており、改めて業界統合の必要性を訴え始めている。 航空機大手エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は19日、業界団体がブリュッセルで主催した記者会見で、欧州の航空宇宙業界は再編と統合が必要だと発言。「米国だけでなく、中国でもいくつか巨大企業が出現している世界において、われわれはバラバラだ」と述べた。 欧州では以前にも業界統合の動きがあったが、関係者らによると欧州連合(EU)欧州委員会が競争阻害の観点から反対した。 フォーリ氏は、「競争は重要だが、規模も非常に重要だ」と語った。 スウェーデン防衛大手サーブのミカエル・ヨハンソンCEOは、欧州各国は防衛面での協力を強化するとともに、欧州のサプライヤーからの購入を増やす必要があると主張。協力を強めなければ「米国やその他と競うことは決してできない」と強調した。