【MLB】オリオールズが投打バランス改善のために本拠地球場の左翼側を再改修へ 現状は予想以上に投手有利
オリオールズのマイク・エライアスGMは日本時間11月16日、本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズの左翼フェンスを2025年シーズンの開幕までに移動させる計画を発表した。同球場では打者有利の環境を是正するために、2022年開幕前に左翼フェンスが後ろに下げられたばかりだが、これによって予想以上に投手有利の環境に。今回の変更はその偏った投打バランスを改善するためのものであり、左翼フェンスは2021年シーズンまでの状態に戻されるわけではない。 2024年シーズンの主要アワード受賞者まとめ エライアスGMによると、現在の左翼フェンスを撤去、または移動するわけではなく、現在のフェンスよりも本塁に近いところに新しいフェンスを設置し、2つのフェンスのあいだは座席を置かない空白のスペースになるという。打者から見ると、左翼フェンスが3~7メートルほど前に出てくるイメージとなる。フェンスの高さもやや低くなるようだ。日本で言うところの「ラッキーゾーン」を設置するような形となる。 エライアスGMは「我々の希望は、(左翼側の)寸法を少し縮小することだ。当初の目標はバランスの取れたプレー環境にすることだった。2021年までは本塁打の出やすい球場だったが、2022年の変更は少し(投手有利に)偏りすぎていた。今回の変更は以前の状態に少し近づけることになる」とコメント。スタットキャストのデータによると、左翼側を広げた3シーズンで以前ならスタンドインしていたはずの打球が138本もホームランにならなかった。予想以上に投手有利となってしまった環境を是正するために、今回の変更が実施される。 今回の変更によって、ライアン・マウントキャッスルをはじめとした強打の右打者の本塁打が再び増加することが予想される。スタットキャストによると、マウントキャッスルはこの3年間で11本のホームランを失っており、これはメジャー全体で最多の数字だ。ホルヘ・マテオ、アンソニー・サンタンデール、アドリー・ラッチマンは各7本、ラモン・ウリアスは5本、ジョーダン・ウエストバーグは4本のホームランを失った。 2021年までの圧倒的に打者有利な環境に戻されるわけではないが、来季以降にオリオール・パーク・アット・カムデンヤーズでの本塁打が増えるのは確実。オリオールズはコービン・バーンズとの再契約を含め、大物FA投手の獲得を目指していることが報じられているが、本拠地が投手にとってやや不利になることを念頭に、クオリティの高い投手陣を編成しようとしているのかもしれない。