阿部巨人動いた!開幕直前 第3弾電撃トレードに見える思惑 超ユーティリティの放出を決断させた「即戦力ルーキーの存在」
積極的なチーム改革を進める巨人が動いてきた。 巨人、日本ハムの両球団は3月11日、巨人・若林晃弘と日本ハム・郡拓也の1対1のトレードが合意したと発表した。 若林は今季でプロ7年目を迎える内野手。内外野どこでも守れるスイッチヒッターとして、330試合に出場してきた。一方の郡も今季でプロ8年目、捕手登録だが、内野ポジションに加えて俊足を生かして外野も守れる、こちらも超ユーティリティーとして知られる。 今回の電撃トレードの背景には若手が多く、経験豊富な野手を求める日本ハムと、捕手の層を手厚くしたいという巨人の思惑が合致したと見られる。 巨人にとってはこれが阿部新監督となって、第3弾トレードとなった。第1弾はソフトバンクと1対2のトレードでアダム・ウォーカーを放出して先発候補のサブマリン右腕・高橋礼、リリーフの泉圭輔を獲得。さらに続いてオリックスから金銭トレードでリリーフの近藤大亮を獲得していた。 前回の2度のトレードは課題としていた投手陣、ブルペン強化を図る目的があったとされるが、今回は扇の要である捕手強化に加えて、ユーティリティプレーヤーの若林の放出を首脳陣に決断させた若手の伸びしろも背景に見え隠れする。 内野のユーティリティといえば、現在開幕1軍を目指しまっしぐらのドラフト4位ルーキーの泉口友汰(NTT西日本)の存在が光る。10日の阪神とのオープン戦でも「8番・三塁」として先発出場。マルチ安打をマークしたことに加え、スキのない走塁でもアピールした。ここまでの実戦で内野4ポジションすべてを経験、守備においてもレギュラー陣に遜色ないプレーを見せており、レギュラーもうかがう存在として注目を集める。 さらに外野でもドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔(日立製作所)がここまでオープン戦打率首位(・444=10日現在)と好調をキープしている。攻守において存在感を示しており、こちらも開幕1軍、レギュラー入りが有力視されている逸材だ。内外野でしっかりとパフォーマンスを示すルーキーたちも出てきたことで、これまで危機管理策の一環として、重宝されてきたユーティリティプレーヤーの放出につながった面もありそうだ。 巨人は今回第3弾トレードを敢行したことで選手たちもより気持ちを引き締めて臨むことに。指揮官が様々な手腕で選手の力を高めようとする一方で、チーム意図に沿う働きができなければ、今後もトレード含め積極的に動いていく可能性は十分に考えられる。 V奪回を目指し、「不気味な野球」をキーワードにあげる指揮官が今後もどう動いていくのか。水面下の動きも注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]