海野翔太、「アントニオ猪木をさがして」問答の真意…1・4東京ドームで闘魂込めてザックのIWGP世界王座に挑戦
来年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 19」のメインイベントで、最高峰のIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する海野翔太(27)がスポーツ報知の取材に応じ、プロレス人生最大の大一番に向けた現在の心境を激白した。王者のザック・セイバーJr.(37)も海野との防衛戦、翌5日の「WRESTLE DYNASTY」(東京ドーム)での連続防衛を誓った。(福留 崇広) 【写真】海野翔太、左足首負傷でドーム2連戦へ暗雲 今年の「G1 CLIMAX」でザックに勝利するなどの実績を引っ提げIWGP世界ヘビー級王座への挑戦を表明。1・4東京ドームでの一騎打ちをもぎ取った。 「ドームで初めてのメインイベントですし、レスラーになる前から夢見ていた舞台に上がることができるのは内心はめちゃくちゃうれしいです。これから先の5年、10年の新日本プロレスを左右する大会、1試合になると思っています。いい意味で昔の新日本というか闘魂というか熱い戦いがザックとできると思っています」 「昔」と「今」の新日本は違うのだろうか? 「ファンの見方、試合のスタイルは変わってきていると思います。ただ、根源となる闘魂という部分はみんなが持ち合わせていると思いますし、昔と違って闘魂というカラーがいろんな形で増えてきたから、一つに定まっていないだけです。おのおのの闘魂があるから今の新日本はあるんです。そこにアントニオ猪木さんの遺志は引き継がれています。そこは今も昔も変わりません」 昨秋公開の映画「アントニオ猪木をさがして」では、02年に猪木さんが蝶野正洋らに「てめぇは何に怒っているんだ」と問いかけた「猪木問答」の名場面とともに、海野が棚橋弘至社長に「僕は怒りはないです」と話すシーンがあった。 「常に怒りを持って試合前から挑む人もいれば、感謝を持って試合に挑み、試合では相手に自分の生きざまをぶつけて、それが怒りに変わることもあるでしょう。本当に怒る時は自分では予測できません。本当に怒る時に今から怒りますっていうのは偽りだと思っています」 ザックへの挑戦が決まった道のりでクローズアップされたのが「ブーイング」だった。ザックが内藤哲也から王座を奪取した10・14両国、ザックが鷹木信悟を下し2度目の防衛に成功した11・4大阪。試合後に挑戦を表明したが、海野が登場したと同時にブーイングが起きた。これをどう受け止めているのか? 「率直に言って『何も思ってないです』というのが本心です。実績、結果も残していない人間がIWGPに挑戦してしかも東京ドームのメインになるなんて、ふざけんなよっていう意見だと思います。ブーイングが起きても諦めない気持ちで僕を応援してくれて僕が勝つことを信じて疑わないファンには感謝しかないです。そういう人たちに東京ドームでベルトを獲得して『ありがとね。ここからがオレのスタートだよ。オレから目を離すなよ』って、伝えたいんです」 1・4。ザックに勝つポイントは何か? 「(17年新日本入門の)同期として苦楽を共にした僕だからこそザックの気持ちがわかる。お互いの気持ち、闘魂をぶつけあってどっちが強いか。どっちの魂が萎えないか。いい意味で昔の新日本らしい戦いを示したうえで、新しい世代でこれからの新日本を盛り上げていく着火剤にします」 ここで勝てば翌1・5ドームで組まれているAEWのクラウディオ・カスタニョーリとの一戦が王者としての初防衛戦となる。 ◆海野 翔太(うみの・しょうた)1997年4月17日、東京・世田谷区生まれ。27歳。父はレッドシューズ海野レフェリー。16年3月に新日本プロレス入門。17年4月13日、TAKAみちのく戦でデビュー。19年11月から渡英。3年間の海外修行を経て22年11月5日、大阪大会で凱旋。今年5月11日、米国オンタリオ大会でジョン・モクスリーが持つIWGP世界ヘビー級王座に初挑戦も敗れる。183センチ、103キロ。 ザックに海野との「差」を聞くと、明確に回答しメッセージを送った。「大きく言うと経験です。そこはごまかせません。彼のアイデンティティーとかレスラーとしての自我が確立すれば、もしかしたら将来的には自分より早くトップになるかもしれない。ドームでは真の海野翔太を引き出したい」 海野より10歳上の37歳。04年4月に母国英国でデビュー以来、欧州各国、プロレスリング・ノアなどで実績を積んできた。新日本参戦は海野がデビューした17年春と同じ時期だがプロレスラーとして重ねた実績、経験、英国と日本で年月をかけて築いた伝統と近代を融合させた「ザック・スタイル」が自信の源にある。海野を突破すれば、1・5でAEWのリコシェとの防衛戦になる。 「タイトル戦を2日連続でしかも東京ドームのメインイベントのレベルを2回見せなければいけない。ドームは新日本プロレスはもちろん、プロレス界全体にとって重要な大会です。たくさんの日本と海外のファンが見ます。そして、新しいファンを開拓するチャンス。ワクワクするよ」と2025年の野望を披露した。
報知新聞社
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