ハリポタファン必見!ロンドンのスタジオツアー体験&ロケ地巡り旅レポート【前編】
シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)の公開から20年以上にわたって、世代を超えて愛され続けている映画「ハリー・ポッター」シリーズ。そんな「ハリー・ポッター」の世界を体験することができる人気の施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京– メイキング・オブ・ハリー・ポッター」では、オープン以来初めてとなる特別企画「ホグワーツ・イン・ザ・スノー」が、11月9日(土)から2025年1月5日(日)までの期間限定で開催される。 【写真を見る】大広間の扉が開くと、幻想的な世界に包み込まれ不思議な感覚に…! そこで、世界にわずか2か所しかないスタジオツアーのもう1か所、「スタジオツアーロンドン」とは一体どんな場所なのか?かねてより本場イギリスのスタジオツアーにも訪れてみたい!と思っていた、「ハリー・ポッター」シリーズ大ファンの編集部員が渡英。スタジオツアーロンドンと映画のロケ地を巡りまくり、そこで体験した映画と魔法の世界をたっぷりと紹介する。 ■送迎バスに乗って、スタジオツアーロンドンへGO! スタジオツアーロンドンは、「ハリー・ポッター」シリーズの舞台裏を楽しみながら、実際に撮影で使用されたセットや衣装、アニマトロニクス、特殊効果、小道具などを見たり、体験することができる人気の施設。世界中から多くの「ハリー・ポッター」ファンが訪れる、ファンなら一度は行ってみたい聖地の一つ。 今回の旅は、「ハリー・ポッター」のラッピングバスに乗車してスタートした。バスが走りだすと、車内はシリーズのメインテーマ曲に包まれ、いっきに気分が盛り上がる。 入場ゲートを通過して中に入ると、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(11)でグリンゴッツ銀行にいたドラゴンが出迎えてくれた。周囲の壁面にはシリーズに登場するキャラクターたちの姿も見え、ついに「ハリー・ポッター」の世界に来たことを実感する。 この広いロビーでは、インフォメーションやクロークのほか、カフェやギフトショップも併設されており、ツアーの前後にゆっくり休憩したり買い物を楽しむことができる。スタジオツアーロンドンの公式サイトによると、所要時間は3時間半くらいが目安だというので、まずは入口近くの「HUB CAFE」でバタービールラテを飲んで元気をチャージ。しっかり気合を入れてからツアーに向かった。 ■ツアースタート!まずはホグワーツ魔法魔術学校の大広間へ 大広間に足を踏み入れると、フローティングキャンドルが輝く美しい光景が360度にワッと広がり、一瞬で「ハリー・ポッター」の世界へ飛び込んだ。あまりの美しさに周りの来場者からも感嘆の声が上がっていた。ツアーの序盤ではあるが、大広間だけでも一見の価値あり!息を呑むような体験を味わうことができた。なお、今回編集部員が参加したスタジオツアーは、期間限定の特別展示「リターン・トゥ・アズカバン」のセットも一部含まれている。 大広間といえば宴会や舞踏会、決闘の舞台にもなった、ホグワーツ城のなかでも思い出深い場所の一つ。ここでは、16年以上前に敷かれた本物のヨーク石の床を歩きながら、寮ごとの制服や教授たちの衣装、“寮別ポイント計”などを見ることができた。映画のために作られた長いダイニングテーブルには、貴重な食器が並べられ、長年にわたってホグワーツの生徒たちが彫った落書きなども残されている。 ■見ごたえたっぷり!寮や談話室、教室のセットがたくさん登場 大広間を抜けると、寮や談話室などのお馴染みのセットや衣装、小道具の数々がたくさん展示されていた。気になるものだらけでついつい興奮してしまったが、映画ではじっくり見ることができなかった細部まで堪能できるのが本施設のいいところ。逸る気持ちを落ち着かせてじっくりと巡っていく。 グリフィンドールの談話室は、映画セットのなかでも最も古いセットの一つ。壁には若き日のマクゴナガル教授を含めた、グリフィンドール寮長の肖像画が飾られていた。男子寮には、『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリー、ロン、シェーマス、ネビル、ディーンのために作られたオリジナルのベッドが置かれていた。ロンのベッドの周りには、ロンお気に入りのクィディッチチームのポスターやペナントが貼ってあり、生徒それぞれの個性があふれている。 ■こだわりたっぷりのダンブルドアの校長室 校長室は、ホグワーツ城のなかでも最も⾼い塔に位置している。ダンブルドアは天文学が好きで、棚には古い顕微鏡や、望遠鏡、星図、天⽂機器などが所狭しと並べられていた。本棚に無数にある蔵書の大半は、実際にはイギリスの電話帳が使われ、1冊ずつ⾰のカバーがはりつけられているのだそう。セット1つとっても凄まじいこだわりが感じられる。 校長室とは反対に、魔法薬学の教室は地下の隅に位置しているように見せる設計がされている。この教室は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(09)でハリーが“半純潔のプリンス”と書かれた教科書を使って薬を調合し、“幸運の液体”を獲得したシーンが印象的。教室の棚には魔法薬を調合するための壺や小瓶が壁一面にぎっしりと並んでいた。瓶の中を覗いてみると、動物の⾻や乾燥した葉、ハーブなどが入れられており想像以上にリアリティがある。机の上にある鍋は、煙が出ておりなにかをグツグツと煮込んでいる様子が伺えた。 ハグリッドの小屋は、ハグリッドをほかの登場人物よりも大きく見せるために、異なる2つのセットが用意されたのだそう。1つは通常サイズの登場人物を周囲に比べて小さく見せるために、より大きなセットが使用され、もう1つはハグリッドを大きく見せるために、より小さなセットが使用されたんだとか。巧妙な視覚トリックも駆使して、撮影が行われていたことがわかる。 ウィーズリー家のキッチンでは、フライパンが自動洗浄されたり、ソファの上で編み物の針が動いていたりと、魔法の家庭⽤品が目立っていた。部屋に飾られた柱時計をよく見ると、家族それぞれの居場所を指し示す文字盤にも気づくことができる。ウィーズリー家の暮らしぶりが垣間見え、アーサーとモリーの愛も感じられる温かい雰囲気にあふれた隠れ穴だった。 ■魔法省や禁じられた森など…ダーク・アーツ(闇の魔術)のエリアへ 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(10)でハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が、ポリジュース薬を使って潜入したシーンが印象的な魔法省。省内のデザインは、19世紀のヴィクトリア朝の建物がモデルとされており、何千枚もの緑と⾚の⽊製タイルで覆われている。巨大な暖炉は9mを超える⾼さがあり、建設された映画セットのなかでは最⼤級だとか。Magic is Might(魔法は力なり)の像は、大理石の柱の下に押しつぶされる58体のマグルたちが描かれていて迫力満点!ひと際目を引いていた。 「禁じられた森」と言えば、生徒は立ち入り禁止の危険なエリア。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)でハグリットを救うため、ハリー、ロン、ファングがクモを追いかけて森に向い、アラゴグと対面。クモたちに襲われ逃げるシーンは手に汗を握った人も多いはず。スタジオツアーで見られる禁じられた森は、映画と同じく不気味な闇に包まれ、恐ろしい雰囲気が漂っていた。直径3mを超える19本の木で埋め尽くされており、絡み合った木の根の下を歩きながら巡っていく。真っ暗で空気が少しひんやりとしており、足元も柔らかいので、まさに森のなかを歩いている気分だった。大きな蜘蛛たちが空から降ってきたり、突然現れるので苦手な人は要注意。 ■ホグワーツ特急の機関⾞は迫力の佇まい ロンドンにあるキングス・クロス駅の9と3/4番線から何百人ものホグワーツ生を学校まで送り届けたホグワーツ特急は、『ハリー・ポッターと賢者の⽯』で最初に撮影されたシーン。そして、シリーズの完結編となる『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のラストシーンでもある。列車の中に入って客室の様子を伺ってみると、社内販売のお菓子を満喫するハリーとロンや、完結編で登場する大人になったハリー、ロン、ハーマイオニー、ジニーの4人に出会うことができた。 旅レポート【後編】では、スタジオツアーロンドンで見たホグワーツ城やダイアゴン横丁、マンドレイクの引っこ抜き体験のほか、スタジオツアーを飛び出して、ホグワーツの階段や大広間、キングス・クロス駅など、ロケ地巡りの模様を盛りだくさんで紹介。本場ロンドンで味わう「ハリー・ポッター」の魅力をチェックして、スタジオツアー東京で開催される「ホグワーツ・イン・ザ・スノー」の始まりを楽しみに待とう。 取材・文/編集部