「皿はやや残念」「メインはなぜかハンバーグ」だがプロのこだわりが詰まっている! ガストの「1990円高級フレンチ」は一体何が凄いのか?
調べると普段「ガスト」ではこの皿はからあげや焼き鮭などを盛り付けるのに使われているようだった。 せめてシンプルな白い丸皿ではだめだったのだろうか? おそらくオペレーション上の都合など何かしらの事情があってのことだろうが、盛り付けも商品価値の1つになると思うと筆者には疑問が残った。 盛り付けでややテンションが下がってしまったが、実際に「アンディーブの柚子ビネグレット和え」を食べてみると、しっかりとフレンチらしい香りと酸味の利いた味わいで、思わず白ワインが欲しくなる。
「アンディーブ」とはチコリのことで、サクッとした食感でほのかな苦みが特徴の野菜だ。ビネグレット(酢)のほどよい酸味に柚子の香りが鼻に抜け、チコリの苦みと呼応する完成度の高い味わい。「ガスト」でこのような料理が食べられることに驚き、「白菜の浅漬けかと思ってごめんなさい」と心の中でつぶやいた。 それ以外は「帆立のバターソテー」、「サーモンマリネのグジェール」。「グジェール」とは甘くないシュー皮に具材を挟んだアミューズだ。
■メインは「ガスト」が得意なハンバーグ その後、メインとなる「ビーフ100%ハンバーグ ペリグーソース~ごぼうのチップをのせて~」と「ソフトフランスパン」が運ばれてきた。パンではなくライスも選べた。 「フレンチのメインがハンバーグ?」という疑問もなくはないが、このフェアのためにイチから商品を開発するのは食材調達のコストやオペレーション面での負担が大きいはず。 今回は、既存のメニューや食材、設備を活用しながら進藤シェフの知恵を借り、本格フレンチの魅力を表現しようということではないだろうか。
そこで「ガスト」が得意とするハンバーグをメインとしているのかもしれない。「ガスト」の客層としても、食べ慣れない未知の料理よりも親しみやすいハンバーグの方が喜ばれそうだ。 ハンバーグ自体はいわゆる「ガストのハンバーグ」なのだが、ソースや付け合わせに趣向を凝らし、フレンチへと昇華させている。 ソースは赤ワインや黒トリュフの香るペリグーソース。付け合わせのポーチドエッグは赤ワインに漬けてあるそうで、紫色に染まっているのが特徴的だ。ナイフを入れるととろりと卵黄が流れ、ハンバーグに絡めて楽しめる。