若者のやる気を著しく下げる「無駄会議」ベスト3 会議はマネジメントのための道具にすぎない
「達人」「プロフェッショナル」と呼ばれる人は、決して無駄な動きをしない。柔道、剣道、空手道――といった武道のみならず、茶道、華道、香道といった伝統芸能における三道においても無駄な動きがなく、所作が美しいことは共通している。 マネジメントの達人が組織の中に複数人いれば、業績が悪くなるはずがない。当然、無駄会議も、無駄資料も、無駄メールもなくなるはずだ。マネジメントというのは、シンプルでなければならないからだ。
私は2012年に『脱会議』という書籍を出版している。集中連載したコラムは、ひとつの記事で100万人以上がアクセスするほど注目された。しかし残念なことに、あれから10年以上たった今でも「無駄会議」は減っていない。 それでは、昔も今も変わらない、若者がやる気をなくす無駄会議の特徴は何か? ランキング形式で発表しよう。 1位:報告だけの会議 2位:目的のよくわからない会議 3位:ネクストアクションを決めないまま終わる会議
◎1位:報告だけの会議 報告だけの会議、というのは、会議に参加者がひとりずつ現状報告をさせられるだけの会議のことだ。報告だけさせておいて、 「今期もあとわずかだから、最後まで気を抜かないように」 「何かあったら、いつでも俺のところに来い。相談にのるから」 「じゃ、そういうことで」 ……で、終わる会議のことだ。 そもそも報告は会議でなくとも、メールや社内SNSを通じてあらかじめ共有できる。また、その後の問題解決や行動計画を立てることもないため、参加するメンバーも自然と受動的になってしまう。まさにやる気を下げる会議の最たる例である。
◎2位:目的のよくわからない会議 目的のよくわからない会議は、主催者ではなく会議の参加者に「今日の会議はどんな目的で参加されるのですか?」と尋ねればすぐに判明する。 往々にして、目的もわからずに「呼ばれたから参加する」「毎週月曜やってるから会議室へ行く」という人が膨大にいることがわかる。ホワイトカラーの生産性アップがこれほどまでに叫ばれているのにもかかわらず、目的も知らずに1時間も2時間も会議室へ足を運ぶ中間管理職がとても多いのだ。