「娘を助けて」…愛娘が元夫に監禁された!解放を懇願するロシア人母親を襲った「さらなる絶望」
打ち砕かれた希望
「なんと、断られたよ。コンピューターにアリーナのデータを入れた瞬間、マークが出たんだ――FSB監視下って」 隣人のメッセージに打ちのめされた。お金じゃどうしようもない。 最後の希望がシャボン玉のようにはじけた。 わたしに残る唯一の解決策は、ロシアに帰国することだった。 わたしからそれを聞いた全員が口をそろえて思いとどまらせようとした。誰もが、逮捕は避けられないと確信していた。 わたしは他国で一人きりだった。家族もなく、家もなく、仕事もなく、見通しもなかった。 「ねえ、いつ帰ってくるの?」 電話の娘の声は溺れる者にとっての救いの藁のようだった。 わたしは娘のアリーナとほとんど毎日話をした。その都度、こちらの気が動転していることを娘に感づかれないように、自分の意志を拳のように固めなければならなかった。娘にとってわたしは強く、自信に満ちていなければならない。 自分でもそれと知らぬ間に、娘は誰よりもわたしを支えてくれていた。 しかし、今はわたしの力が限界だった。 「ロシアに帰るのが怖いの」 わたしは話し始めたが、自分があけすけにしゃべっていることに驚いた。 「刑務所送りになるでしょうね。もう少しだけ待っていて。どうしたらあなたをドイツに連れ出すことができるか考えているの」 「パパは絶対わたしを出してくれないわ。わたしの出国を禁止したの。パスポートも持ってないし」 「アリーナ、何か考えましょう。出口なしの状況なんてないことはわかるでしょ。きっと出口は見つかる」 プロテクトのかかったメッセンジャーでわたしは信頼する人びとにメッセージを送り続けた。 「娘をロシアから連れ出すのを助けてください」 友人たちもお手上げだった。 娘を誘拐してクルマのトランクに押し込むとか、他人名義のパスポートで国境を越えさせるという提案は即座に却下だった。 『“真実”はテレビ局で作られる…「調査開始前にすでに犯人は決まっていた」元職員が語る露テレビ局の「捏造」の瞬間』へ続く
マリーナ・オフシャンニコワ
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