テンハフは抗ったが新執行部『INEOS』はすでに新監督を?
もちろん、滅茶苦茶なチーム創りはグレイザー・ファミリーに非がある。彼らの強化プランは稚拙で曖昧、しかも無軌道だった。テンハフに全責任を負わせるわけにはいかない。
とはいえ、シティに屈して4位アストンヴィラとの差は8から11に拡大した。残り12試合。逆転可能といっても、簡単ではない。直近5試合で31ゴールを記録したアーセナルに対し、ユナイテッドは現時点の総得点数が37だ。
新執行部『INEOS』の周辺から、「テンハフを全面的に支持する」との声は聞こえてこない。内部事情を知る立場にいるOBのポール・スコールズは、「チャンピオンズリーグの出場権いかんにかかわらず、おそらく現体制は今シーズンかぎりだ。すでに新監督を探しはじめていると思う」と、刺激的にコメントした。
フラムに敗れ、1-0の勝利を収めたノッティンガム・フォレスト戦も試合内容は芳しくなく、シティ戦は惨敗。サポーターとメディアが納得した試合は、攻守が連動して2-1の勝利を収めた15節のチェルシー戦だけだ。
「シティが世界最高のチームだってことを忘れてくれるな」
テンハフの抗弁はうすら寒かった。いつ、なにが起きても不思議ではない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹