「学校に行きたくない」「親に愛されたい」シンガーソングライター・玉城ちはるが2000人以上の子どもたちの相談にのって気づいたこと
たとえば不登校になった子どもがいたら、当事者だけに原因があるという見方をしないで、ご家族全体にカウンセリングを行い、家庭の中で悪循環がないかを探ります。困りごとを聞いて見つけていき、家族が元々持つ力を活かせるよう支援します。 今、群馬県の病院で相談スペース「こもれびカフェ」という活動をしています。病院に不登校のお子さんが来られたときに、医療的な治療が必要ない場合もあるんですね。病名がつかなかったり、お薬がいらない場合、精神科病院だと、医療行為としてお話を聞いてあげられないんです。そういう病名のつかない方たちを対象にしています。
完全に無料で1時間程度、家族にもお話を伺います。子どもが不登校でお母さんも「自分のしつけがダメなのかも」と疲弊している、本人は「お母さんが心配しているのに学校に行けない自分はダメだ」と思ってしまう。それぞれのお話を聞くと、全員が頑張っているのに悪循環が起こっていることが多いんです。なので、何から始めていけばいいのかなどを、そのご家族と一緒に考えています。私が答えを持っているわけではありません。自分が持っている力をそれぞれに発揮してもらえるような気づきを一緒に考えるような業務です。
── 取得しようと思われた具体的なきっかけはあったのですか? 玉城さん:LINE相談ですね。不登校で悩む子とその原因を探るべくお話ししていても「学校はべつに楽しい」と言う。理由がわからないまま半年くらいが経ったころ、その子がなにげなく「今日も家に誰もいなくて一人でお弁当を食べてるんだけど、寂しいからLINE繋ぎながらご飯食べていい?」と言い出して。話を聞いていくうちに「これはこの子だけの問題ではなく、どうやら親御さんと話さないといけないな」と思う場面が出てきたんです。とはいえ、スクールカウンセラーでもなんでもない私が「あなたの親と話したい」と言える立場ではないので、資格をとって親子でお話を聞けるようにしました。