「学校に行きたくない」「親に愛されたい」シンガーソングライター・玉城ちはるが2000人以上の子どもたちの相談にのって気づいたこと
── たしかに、誰に相談したらいいのかもわからず、自問自答で自分を否定的に考えてしまうお子さんには、LINE相談で誰かと話す機会を持つことは大きな意味がありそうですね。 玉城さん:苦しいことがあっても相談できない子がたくさんいると感じています。なので相談するという一歩を踏み出してほしい。LINE相談ではさっきもお伝えしたように「こんなことを相談してごめんなさい」とか「これぐらいのことを聞いてもらうのが申しわけない」とか、「愚痴ってごめんなさい」とか謝るお子さんが本当に多いんですよね。
実際、みんな生きづらさを抱えて不登校児は増えるばかりなのに、大人への相談は増えていない。それが疑問で、相談しづらい原因が何かを探るべく、大学でアンケートを取りました。回答にあったのは「カウンセリングに行くのが恥ずかしい」「みじめ」など、そしていちばん多かったのは「親に心配をかける」というものでした。 子どもが「スクールカウンセラーと話してきた!」というと、親が心配した顔で「どうしたの?ママに話して?何があったの?」となりがちですよね。そういう反応が余計に親を心配させるから相談しにくいと思っていることが判明したんです。
そんな悪循環があることがわかったので、相談できる能力は素晴らしいし、生きていくうえで大切な力なんだということを伝えたいんです。こうした活動を通して、セルフメンタルケアができる人を増やしていけたらという思いです。
■不登校の原因は本人だけでなく環境にあることも ── 玉城さんは「家族相談士」の資格を取得されたそうですが、これはどのような資格なのですか? 玉城さん:国家資格として公認心理師というものがありますが、家族相談士は民間の資格になります。公認心理師が学ぶ項目のひとつに家族心理学があって、家族相談士の資格はそれに特化して勉強し、活動するための資格です。たとえば公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士など、医療の治療に当たる方々の補佐につく形で、患者さん本人と1対1で話すだけでなく、家族全体カウンセリングを行ったりします。