イスラエル軍、ガザ南部の住民らに退避命令 ロケット弾が発射されたと発表後
イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニス市の東に位置する広い地域から立ち退くよう、パレスチナ住民に命じた。この少し前には、イスラエルに向けて多数のロケット弾が発射されており、同軍はハンユニス地域から飛来したとしている。 最新の退避命令は、ハンユニスの南東にあるヨーロッパ病院の周辺が対象。 当該地域のパレスチナ住民は最初、退避を指示する音声メッセージを受け取った。イスラエル軍はその後、アラビア語で繰り返し警告するメッセージをソーシャルメディアに投稿した。 現地ではすでに多くの人々が避難していると、目撃者らは話している。 現地の報道によると、ヨーロッパ病院のスタッフらは、主要な機器の一部をハンユニスのナセル病院に移し始めている。スタッフや患者の一部も避難したという。 今回の命令の少し前には、イスラエルに向けて約20発のロケット弾が発射された。ここ数カ月で最も激しい攻撃だった。何発かは迎撃され、その他は空き地に落下した。けが人は報告されていない。 イスラエル軍は、ロケット弾がハンユニス地域から飛来したと発表。発射場所を砲撃したと説明した。 ガザの武装組織「パレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)」は、イスラエルの「犯罪」に対抗してロケット弾を発射したと発表した。 ガザではこのほか、北部シェジャイヤでの激しい戦闘が5日目に入った。イスラエル軍は、「テロリストとテロリストのインフラが存在することを示す情報」を得て、一帯に戻ったとしている。現地住民らは週末、イスラエル軍の攻撃によって路上に死体が転がっていると話した。 イスラエル軍は、ガザ北部での戦闘でイスラエル兵2人が死亡したと発表した。 南部ラファ地区では、イスラエル軍兵士1人が殺害された。イスラム組織ハマスは、爆発装置を仕掛けた民家にイスラエル兵士らをおびき寄せ、その民家を爆破したと発表した。 ガザ市のアル・シファ病院では、イスラエル軍に7カ月間拘束されていたムハンマド・アブ・サルミヤ院長が解放された。同院長は拘束中に拷問を受けたと主張しているが、イスラエルは虐待を否定している。 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は6月30日の閣議で、イスラエル軍が「ガザ全域で」作戦を進め、連日「テロリスト数十人」を殺していると述べた。 また、「これは困難な戦いであり、地上でも、時には接近戦でも、地下でも行われている」と主張。「私たちはすべての目的を達成するまで戦うと誓う。それは、ハマスの排除、人質全員の帰還、ガザが二度とイスラエルの脅威とならないこと、そして私たちの住民を安全に自宅に帰すことだ」と付け加えた。 イスラエルは昨年10月7日、南部をハマスに襲撃された。約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。 これを受け、イスラエル軍はガザでハマス壊滅作戦を開始。ハマスが運営するガザ保健当局によると、それ以来、ガザでは3万7900人以上が殺害された。これには過去24時間で殺された23人も含まれている。 (英語記事 Israel orders Palestinians to leave southern Gaza area after rocket fire)
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