祝「ダイヤモンド富士」で迎える新年! 初詣と「竜ヶ岳」登山、現地体験レポ【元日ハイキングの参考に】
■年末年始だけの特別な「ダイヤモンド富士」を体験しよう!
●混雑必至!駐車場は早めに確保しよう! 北口本宮富士浅間神社で初詣を済ませたら、本栖湖に向け出発だ。道幅の広い国道139号線を利用するが、深夜なので慎重な運転を心がけよう。浅間神社から本栖湖駐車場までは、約23kmで40分ほどの道のりだ。 竜ヶ岳登山口があるのは本栖湖キャンプ場駐車場。キャンプ場の営業は11月中旬で終了しているが、例年年末年始の期間は、竜ヶ岳登山者のために好意で駐車場を開放してくれている。ただし、トイレと水道は使用できないので注意。 こちらはかなり早い時間帯で埋まってしまうので、手前にある本栖湖駐車場の利用をおすすめする。無料で利用できるうえ、近くに公衆トイレが備えられているのもありがたい。両駐車場は徒歩10分程度の距離だ。 なお、筆者は深夜2時過ぎに本栖湖駐車場に到着。半分程度は埋まっていたが、渋滞もなくスムーズに駐車できた。その後車内で仮眠のつもりだったが、ひっきりなしに入ってくる車のヘッドライトで、眠れぬまま出発の時間を迎えた。2025年元旦には、アイマスクや耳栓などで対策を施すつもりだ。 ●いざ竜ヶ岳へ! ダイヤモンド富士を求めて薄闇の登山道へ 明けきらない暗いうちから、準備を整えたハイカーが竜ヶ岳の山頂を目指して続々と出発していく。山頂からの日の出の時刻は7時40分頃。ふもとから山頂まで、登山道の渋滞も考慮したゆっくりペースで登って2時間30分程度のため、逆算すると、5時頃に出発しゆっくりとしたペースを保っていけば、極寒の山頂で長時間待つこともなく、ダイヤモンド富士を迎えられるはずだ。 ちなみに筆者は、夏に竜ヶ岳に登った際の所要時間をそのまま当てはめ、出発時間を5時40分に設定してしまった。結果的に間に合ったものの、明るくなっていく空と、なかなか進まない登山道の渋滞に焦ってしまった。 登山道は歩きやすく整備されているが、暗がりのため、足元をヘッドライトでよく確認しながら慎重に進もう。徐々に明るくなってくると、雄大な富士山が朝焼けの中、姿を現す。その幻想的な姿にあちこちから歓声があがる。 慣れない暗中の山道歩きは緊張を強いられ堪えるが、元気を与えてくれる富士山のパワーに感謝。 ●どこでご来光を迎える? 展望台・笹の道・山頂も人だかり! 山頂の手前、広々とした展望台スペースには、すでに多くの人だかりが。ダイヤモンドの輝きを収めようと、大きなカメラを構える人や、寒そうに手をこすり合わせながらご来光を待つ人の姿があった。 筆者はこのときが初めてのご来光登山。中腹の展望台からではなく、竜ヶ岳山頂からのご来光が見たいという思いで、展望台を後にし先へと進んだ。日が昇る時間は調べてあるものの、周囲がすっかり明るくなり気が焦ってしまう。 山頂に至る笹の道も、ベテランと思われるハイカーが器用にスペースを作り、シャッターチャンスを窺っている。そうこうしているうちに、いよいよ山頂だ。 ●大歓声に湧く竜ヶ岳山頂! 待望のダイヤモンド初日の出! 時刻は7時24分。ご来光予定時刻は39分、間に合った。 標高1,485mの頂とは思えぬ賑やかさだが、ご来光が迫るにつれ静寂に包まれる。皆一様に富士山と正対し、山頂を見つめる。 眩しい輝きとともに大きな声がした。いや、自分が発していたのか。待ちに待ったダイヤモンド富士の初日の出。大歓声とともに、カメラのシャッター音が鳴り響く暖かな太陽の光が、笑顔のハイカーたちを照らしてくれる。日の出の様子をひとしきりカメラに収めたら、皆拍手喝采だ。 暖かいこたつで、おせちとお酒を楽しむ正月もすばらしいが、極寒に耐え、ここまで来てよかったと心から思った。 すっかり日が昇ったあとも、山頂は興奮冷めやらぬ雰囲気だが、下山に取り掛かる。日が昇ると、霜柱が溶けて地面がぬかるむため、スニーカーで登っている人などのスリップが続出した。防寒対策に加えて、登山靴と、できればトレッキングポールもあると万全だ。 竜ヶ岳にはトイレが設置されていないので注意しよう。 感動すること請け合いのご来光登山。新年の初登りにいかがだろうか。筆者も今から2025年のご来光登山が楽しみだ。 転勤で移り住んだ山梨県で富士山の美しさに魅了され、夫婦揃って登山にのめり込む。以来6年、富士の絶景を求めて山梨百名山や関東百名山を中心に385座を登頂。 基本的に日帰りでライトな登山が好みだが、密かに鳳凰三山テント泊を夢見ている40代会社員。 現在は富士山の麓・御殿場市在住。
河野 美花